風の詩

 ある朝 風になった私は

 思うがままに流れ 荒び また吹いた

 野を駆け 谷を行き 池に揺らぎ

 橋を渡り 草を靡かせ 舟を押す

 人間であった頃には

 こんな痛快な気分は無かった

 私はあの大きな塔の下で休み

 明日は何処へなどと考えていた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る