その二
リーンとルナはガイルをさがしに出かけていました。
ルナのお手伝いのおかげですっかりきれいになった翼にリーンもだいまんぞく。おそくはありましたが、空をとぶリーンの気分はさいこうです。
ずっととんでいたいくらいの気持ちでした。
「ガイルはどこまで行ったのかな?」
穴ほりのめい人ドラゴン、サンドラはきのこ森のところでガイルを見たと言っていました。
ガイルはきのこが大きらいでしたが、きのこが大好きな虫が大好物で、ごはんの時は決まってきのこ森に出かけます。
ですがリーンとルナがきのこ森に着いても、そこにガイルはいません。
それどころか、大好物の虫さえつかまえたようすがありませんでした。
いっしょにあそびたい二人はガイルをさがしてもう少しとんでみることにしました。
もしかしたらきのこ森の、もっとふかいところに行ったのかもしれない。リーンが言いました。
きのこ森のふかくはきけんだよ。ルナが言います。みんなしっていることでした。
けれどガイルはそんなことをこわがるドラゴンではありません。きょうみがあれば、きけんだろうときっと探けんに行ってしまいます。
もしそうならガイルがあぶない。リーンは言って、ルナにさがしに行こうとせっとくします。
こうなるといやだと言ってもリーンは一人でさがしに行ってしまうことをルナは知っています。なので、あぶないことはしないとやくそくをしてリーンといっしょにガイルをさがしに行くことにしました。
「ありがとう!」
おれいを言って、リーンはルナとガイルをさがしにきのこ森へと入って行きます。木々で地面がぜんぶかくれているきのこ森のふかくはとんで行くことができません。
きのこ森のふかくはくらくてじめじめしていて、木にはびっしりときのこばかりが生えていました。くらいのですが、きらきら光るほうしや虫がとんでいるので、なにも見えないほどではありません。
少なくとも身のきけんはありません。
けれど、ルナと言えば、どうにも乗り気ではありませんでした。進むたびに立ち止まる数がふえていました。
しんぱいするリーンでしたが、ルナはだいじょうぶだと言ってがんばってリーンとすすんで行きます。
けれど進んで行く内についにルナは立ち止まってしまいました。リーンが手を引いても動こうとしません。
困ったな。
どうしようとなやんだリーンは、ルナにまっているように言って、一人で進もうとします。止めるルナでしたが、だいじょうぶと言ってリーンは止まろうとしません。
困ってしまうルナでしたが、リーンが数歩進んだところでおくからひめいが。ガイルの声です。
びっくりする二人でしたが、さらにおどろいたことにおくからガイルがものすごいはやさで走ってくるのです。
リーンがさいかいをよろこぶひまもなく、リーンとルナの手をつかまえたガイルは二人をひっぱって森を逆そう。あっという間にきのこ森の入り口までもどってきました。
どうしたのとリーンがたずねると、いきを切らしたガイルがすごいものを見つけたとうれしそうに言います。
顔を見合わせるリーンとルナでしたが、お腹がへったとガイルが言うので、虫をつかまえて帰ることにしたのでした。
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