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前にも書いたが、僕は妄想が好きだ。妄想は特技であり、趣味でもある。一部は空想と表現するべきかもしれない。単純な話、そういう区別が面倒なのだ。だから何もかも妄想ということにしている。夢想も空想も幻想も、僕にとっては妄想という一つの区分だ。今まで僕は具現化の能力をこれでもかというくらいに使わなかった。意識してそうしたわけではない。武器を使って敵を倒す事自体にスリルと恍惚を感じていたために、無意識にその能力を使わなくなっていた。その頃の僕には三つも四つも能力が備わっていた。三つ目は空中浮遊で、四つ目は高速移動。この二つに加え、一つ目の念力もだいぶ強化されていて、それら三つの能力を駆使し、武器を片手に戦っていた。要するに、それだけで満足していたのだ。まともに戦えるだけで僕にとっては最高だった。日常生活中に生じる全てのストレスを、この戦い一点のみに集中させて、発散する。それがとてつもなく快感だった。

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