13
本格的に戦いが始まってから、逸材と呼ぶのも憚られるほどの圧倒的強さを誇る人間が何人も出現してきた。百人どころか千人力を誇る仙人のような能力者。妄想具現化という能力を持っている僕は、まるでその能力を全くフル活用できていないかのような錯覚に陥る。いや、その当時は実際にそうだったのかもしれない。テスター時期よりも明らかに戦う回数は減った。激減した。しかし【ナレッジ】のお咎めはなかったように記憶している。寧ろ戦闘人員が多いことにとても満足していた。当の僕はと言うと。「英断を下した」テスター達の仲間入りを果たさなかった時点でお察しだ。僕は戦うことを選んだ。今までの生活はとても苦しかった。平穏なことが、平凡なことが、平和なことが、元テスター達には申し訳ないが、僕には退屈で仕方がなかった。日常を過ごして本能を無駄に使うよりは、危険の中で過ごす方が、生物としてのあらゆる本能を活用できると、僕はそう考えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます