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この現状を憂いた人間は世界中にいて、すぐにアフリカに駆けつけた。まずテレパスでコミュニケーションを取り、空間移動系の能力を持った人間を探す。そうして集団での空間移動が可能ならば、可能な限りの人数を一斉に移動させる。それが何回か続き、瞬く間にアフリカ地帯から敵が消えた。妄想具現化能力を持つヨーロッパのそいつもその中にいて、流石に爆弾は出さなかったみたいだけど、大いに戦績を上げた。そしてそいつは僕と同じ年齢で、しかも女の子だった。綺麗な金色の髪で、長さはボブヘアーくらい。たなびくスカートは恐ろしく無機質で、白いジャケットは大理石の如く。どう見たって無骨な格好なのに、そうと思わせない風貌。「美少女」という情報が、彼女の「無骨さ」という情報に上書きしていく。【パンドラ】から取り出した武器を手に、無表情で敵を倒していくその姿は、蝶のようで蜂だった。彼女の名前はリューネス・ツァルト。ドイツ人の十六歳。

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