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研究所爆破事故。裏を返せば侵略者の襲撃だが、収穫はちゃんとあったし、何よりも、【ナレッジ】がアップデートされた。実を言うと、僕が今まで手首に付けていた【ナレッジ】は、試作段階の代物だった。プロトタイプであり、ベータ版だった。研究所で作りだされていた方の【ナレッジ】が持っていた知識。それらが全て、そのプロトタイプに適用された。その結果どうなったかというと、敵の情報が格段に増え、弱点がわかるようになった。情報の処理速度も上がって、装備した武器の出し入れがスムーズになった。能力を与える機構もアップグレードされ、戦う人員も一気に増えた。「戦いはより有利になった」。誰かがそう言ったけれど、僕はそうは思わなかった。敵の情報を手に入れたということは、敵側も、僕らの情報に関して一段と詳しくなっている。そう考えたほうがいい。戦う相手の弱点を知ったら、戦い方を変えるだろう。僕たちも敵も、同じようにそう考えた。
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