1

あれから一年半が経つのかと思うと、僕も随分と歳をとったなと感じる。大学生だけど、高校生に比べれば確実に老けた。高校二年生。新年を迎えて一月。進学校通いだったので、もう進路について考えさせられていた。大学に進学するのか、専門学校に通うのか、はたまた就職するのか。ほぼ均等に三分割されていたと思う。若干ながら大学進学を選ぶ人が多かったぐらいで。僕もその一人だった。大学に進学するなんていう漠然としたことを、僕はいつも考えようとしなかった。代わりにやってたのは妄想だ。小説を書くほどの文章力はないけれど、妄想は捗った。主役は僕自身だったり、他の人間だったり。男なら一度は考えたことがあるはずだ。「授業中にテロリスト」というシチュエーション。僕の場合、高校生になってもまだそれは続いていて、大学生になった今も、そんな発想がやってくる。「講義中にテロリスト」。その度に真っ先に教授を殺してくれと何度も願うのだ。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る