第2話 女の子
とりあえず、他の参加者のふたりに挨拶をしておこう。
俺は、そう思い声をかけた。
「はじめまして、僕は佐々木浩と言います」
「はじめまして、僕は加藤正樹です。」
「僕は、小野和夫です。」
一応書いておこう。
俺、佐々木浩はスレンダー体型。
加藤さんは、背が低くメガネを掛けている。
小野さんは、左利きのようだ。
衣装は、俺が青い服で、加藤さんが赤、小野さんは緑だ。
そこへ、スタッフさんが入ってきた。
いくつかの注意事項を受けた。
まあ、それはここの3人は心配ないだろう・・・
意外だったのは、「タメ口で話してくれ」だった。
「芸能人は、タメ口をきかれるのは、嫌がるだろう」
3人の声が、揃った。
アイドルが入ってきた。
「ヤッホー!君たちおめでとう。ラッキーボーイだね」
アイドルさん、優月さんもタメ口ですか・・・
「フランクな方ですね」
小野さんが、口を開いた。
「小野くん、敬語厳禁だよ。聞かなかった?」
「あっ、すいません。次からは・・・」
無理もない。
普通、初対面の方といきなりタメ口なんて、無理だろう・・・
「じゃあ、佐々木くん、加藤くん、小野くん、行くよ」
優月さんは、先導しようとした。
「どこへ?」
俺は質問した。
「デートの定番、動物園」
定番なのか?そっか、遊園地とかだと、ふたりになる恐れがあるか・・・
「それから、私の事は綾と呼ぶように。わかった?」
「はーい」
3人の声が揃う。
動物園についた・・・
「ねえ、ねえ、ペンギンよ。かわいい」
ペンギンが、泳いでいる。気持ちよさそうだ。
「ねえ、ねえ、ぞうさん、お鼻が長いね」
「あっ、キリンさん、首長い」
キリンは9割がゲイなんだよな・・・
綾は、3人をそっちのけではしゃいでいる。
カメラのことを忘れているようだ・・・
お昼をまわったころ、
「3人とも疲れたでしょ?何か買ってくるね」
そういって、綾は買いに行った・・・
3人が残され話し合う。
「いつも、あんな感じなんですかね」
「さあ、わかりませんが、多分違うかと・・・どう思います?佐々木さん」
「わかりませんが、テレビとは違うんじゃないんですかね」
しかし、3人とも気にしていないようだ。
綾は、きつねうどんを買ってきた。
もちろん、スタッフさんが運んでいたが・・・
「さっ、3人とも食べて、私のおごり」
綾はニコニコしている。
俺達は、ありがたくいただいた。
味は・・まっ、こんなもんだろう・・・
やがて、デートの時間が終わる。
まあ、楽しかったかな・・・
「じゃあ、3人とも今日はありがとね。楽しかった」
「うん、楽しかった」
「だよね。アイドルとデート出来るなんてないからね・・・」
綾のその言葉に、3人の意見が一致した。
「僕たち、アイドルとデート出来たのが嬉しいんじゃないんです。
ひとりの女の子と、デート出来たのが嬉しいんです」
綾は驚愕の表情を見せた・・・
「今、何て?」
「ひとりの女の子とデート出来て嬉しかった」
綾は涙を浮かべた・・・
「ありがとう。私の事を女の子として見てくれたんだ」
「えっ」
「私、嬉しい」
綾は泣きだした。
「みんな、私の事をアイドルとしてしか見てくれない。
でも、あなたたちは、私を1人の女の子として見てくれてた・・・
ありがとう、ありがとう」
綾は、何度もお礼を言った・・・
「じゃあ、これは女の子としての、私からのプレゼント」
3人の全員の頬に、キスしてくれた・・・
ファーストキスだ・・・
イベントは終わった・・・
「今後どうします?」
「これまでと変わりません。ただ・・・」
「ただ?」
「友達として見守ろうと思います」
「そうですね」
3人の意見が一致した。
綾はその後もアイドルとして、活動しているようだが、
俺は、相変わらず興味がない・・・アイドルとしては・・・
ただ友達として、見守りたいと思う・・・
綾も、ひとりの女の子だから・・・
加藤さん、小野さんとも、連絡を取りあぅている。
アイドルだって女の子 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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