第120話 レディーになったの

 こんにちは。

 いすみ 静江です。


 彼女、つまりはモンプチについて、いつもとは趣向を変えてお送りしたいと思います。


 ◇◇◇


 彼女は大人になった。

 大人になった証の下着、ブラジャーを母らと探しに行く。


 偶々、祖母からお土産を買ったと電話があった。

 母は、彼女にとって大切なことだから。

 大人になる大切なことだから、祖母に関わって欲しくない気持ちを握る。

 電話口でパジャマはいいけれども、ブラはよしてくれと頼んだ。


 ◇◇◇


 彼女から気になると話があって数日の内に、店を訪れた。

 最初は、店のブランドで探していたが、子どものコーナーは140からしかなかったから、細い彼女には合わない。

 やっとみつけた130。

 けれども、バストの下がファンデーションのオークルで汚れていたので、止めた。


 大人コーナーで探すことにする。

 どうも大きなサイズばかりが目立つ。

 あれば、65Aかそれより下がいいと思って目をくるくる、お店の中をくるくる回っていた。

 華美なデザイン、控え目でもベージュにふんだんのレースがちらりちらりと目に入る。

 彼女を彩るのは、もっと爽やかであっていい。

 そのときだ。

 30パーセント引きのコーナーに紛れて、二つ隠れていた。

 そのブラジャーは、ワコールの2S。

 はじめてさん向けのものだ。

 コットン100パーセントのホワイト生地に縁のバイヤスがペールブルーで空へと羽ばたいているかのように綺麗で、胸元のリボンもお揃いにきらきらと夢はもう虹の向こうなのだろう。


 彼女は、レディー。

 レディーになったの。

 パパや兄ちゃにも湯上りに着て見せたのに、男は見ないと拒否されてしまった。

 彼女のレディーは的外れだが、間違いもなく、ふっくらと芽生えた夢を抱いている。


 ◇◇◇


 少女だった彼女は、横顔がレディーの灯を当たっている。



 彼女も私の大切な人……。


 ◇◇◇


 そんな彼女は、今日、二作の新作をアップロードしました。

 お友達が欲しいんだねと読んでしみじみ思います。


 おつかれーしょん――!

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