弱い先生

 僕のクラスの担任は、完全に生徒になめられている。

 ホームルームも授業中も、彼の話を皆騒いで聞こうとしない。

 僕もその内の一人で、怒る事もなくうろたえている彼を馬鹿だと思っていた。

 あんな弱い奴に、教えてもらう事なんて何も無い。

 後、数か月しか関わりないんだ。

 別に印象が悪くなっても良い。すでに、進路の決まっている僕達は怖いものなしだった。

 だから、誰も知らなかった。

 馬鹿にされていた彼の、瞳の中に灯る大きな怒りを。

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