第385話 スクナは有名人
「突然、タイトルが普通になったノだ?!」
「きっと面倒になったのだと思うヨ」
「ホッカイ大学のスクナといえば、この辺りで知らない者はいません」
「ふぁへぇ?」
「スクナ。変なとこから声が出てるぞ。ソウシ、それはどういうことだ?」
「ホッカイ国の経済を立て直した功労者だからですよ」
「「ふぁうひょうひゃ?」」
「ふたりで変な声が出ているノだ?」
「クズイモからお菓子を作って儲け、甜菜の作付けを行って採れた砂糖をカンサイに売って儲け、雑草のコーンからお菓子を作って儲け、イテコマシなんておもちゃを売って儲け。価値のないものに価値を付ける天才と評されております」
「待って待って。それじゃ私、儲けてばっかりじゃない」
「スクナこそ待て! ツッコむとこはそっちじゃないだろ。それ、全部俺がやったこ」
「しかもその人がイシカリ大学に出資したために、潰して農場をタダ同然で手に入れようとした我らの計画がワヤにな……ぽけっ」
「あ痛たたたた。お、お前が、痛い、イシカリ大学への支援を止めた張本人か! 痛たたた、俺の基節骨が痛いん」
「どこよそれ? それより、なんで殴ったユウさんのほうがダメージを受けてるの」
「ゆ、指の第3関節のことだ。MP関節と言ったほうが近いけどまめち。痛たた。こいつすごい石頭だ、痛たたた。手首もくじいた。スクナ、ナオールを頼む」
「その人の頭が固いというより、ユウさんの骨が弱すぎ……はいはい。ナオール持ってますよ、ぬりぬりぬり」
「あぁん。あはあぁん。ほほほ、へへへ」
「僕の前でいちゃいちゃすんなぁぁぁぁぁ!!!」
「なんでデブがブチ切れてんだよ。おい、ユウコ」
「ほい。待ってました。ぽかすかぽかぽん」
「痛痛痛痛痛っ。な、なんで?! 痛い痛い」
「お前があの騒動の張本人だったのか。おかげで俺が学長に就任しちゃったじゃねぇか。ありがとよっ」
「なんでお礼なんか言ってるのよ。それよりその話は誤解だらけよ」
「誤解なのですか?」
「そう。私は儲けてなんかいない」
「だからそっちじゃぐぅぅぅう?」
(ユウさんは黙っててね)
(ぐぅ)
「それで市場調査をしていた私をさらったの? 身の代金でも取ろうとしたってこと?」
「いえ、我が家を建て直していただきたいと思いまして」
「「「ふぁぁぁ!?」」」
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