第229話 12階層を進む

「まったく、俺がハルミと似ているとかどんだけ頭のシナプスが絡み合ってんだよ。脳みそがスチールウール(鉄繊維)かなにかでできてんじゃないのか」

「まったく失礼な話だ。私はこんな軟弱でも病弱でも威張りん坊でもないぞ!」


「なんだと、この脳みそ筋肉女!」

「文句あるのか、このへっぽこ冒険者!」


「まぁまぁ。お主らよすノだ。見苦しいノだ。ふたりはもっと離れるノだ。ハルミは先頭に行け。ユウはユウコと最後尾ノだ。タノモは真ん中で両方を監視するノだ」


「「はい。オウミ様。そうしましょう」」


「へん!」 俺

「フン!」 ハルミ


「オウミ様は私が持つ。こっちに寄こせ」

「ほらよ。勝手に使いやがれ」


「我の立場はちっとも変わってないノだ?」


「そんなことよりダンジョンです! 魔物退治です! 経験値です!!」

「張り切っているようだが、レベルが上がってミノウオウハルを使えるようになるなんて保証はないからなー」

「うがーうがーうがー」


「今度はなに人だよ!」

「ハルミの心の拠り所はそれしないノだ。察してやるノだよ」


 どう察すると、うがーを翻訳できるんだよ。俺に原始人の言葉は理解不能だ。


 ともかくいがみ合いながらも、まだ誰も足を踏み入れていない13階層を目指して、12階層を進むの我ら精鋭部隊なのであった

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