第5話 ラッシー

「杉村くん、起きて」

「もう、起きてる」

「早起きだね。えらいえらい」

早瀬さんは、感心している。


「ぐっすり寝れた?」

「寝れると思う?」

辺りを見回して、早瀬さんは納得した・・・


こいつらは、散歩の時間だな・・・

これは、専門家に任せよう・・・


「じゃあ、朝食にしようか」

「誰が作るの?」

「私」

「コンビニ行ってくる」

早瀬さんに、手を掴まれる。


「私の料理がそんなに嫌?」

「はい」

「即答すな」

しかし、あの料理が毎回でると・・・

命を落とす・・・


「文句があるなら、君が作りなさい」

「へいへい。台所お借りします」

「冷蔵庫の中のもの、好きに使っていいよ」

早瀬さんは笑う。


僕は冷蔵庫にある物を、適当に取り出して、

雑炊を作った。


「いただきます」

そう言って食べる。


「少しもらっていい?」

「うん」

そう言って、早瀬さんは自分のちゃわんに雑炊を入れる。

そして、驚いた・・・


「上出来じゃない。どうして、こんなに上手いの?」

「毎日、やっていれば出来るよ」

「今度、教えてね」

「ああ」

早瀬さんは、感心していた・・・


「で、杉村くん、今日だけど・・・」

「うん」

「ラッシー、おいで」

一匹の、ゴールデンレトリバーが来た。


昨日と同じように、早瀬さんではなく、僕のところに・・・


「今日は、この子と遊んであげてね」

「遊ぶって?」

「ううん。一緒にいるだけでいいから」

「わかった」


こうして、ラッシーとの一日が始まった。



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