第117話え? 俺パパになんの?

 よし、用も済んだしさっさと帰ろう。

 そう思っていたら、ドワーフの長であるムルドが嬉しそうに口を開いた。


「へぇ、じゃあうちは何も出さなくて良いんだな?」

「ばかもん! そんなわけあるかぁ!

 我らエルフに対しての補填はしっかりして貰うに決まっておろう!」


 おおう、また喧嘩が始まった。

 ……うーん。そこら辺は俺たちが帰ってからにしよう?


「あん? お前さんら、もう帰っちまうのか? 明日、手紙が来るんだろ?」

「ええ。帰りを待っている人がおりますので。

 手紙はタカという勇者が届けてくれるはずです」

「……まぁまぁ。そう焦りなさんなって。なぁ?」


 彼の視線が俺の装備をチラチラと覗く。

 そういう事か。


「えーと、今すぐオリハルコンの原石と職人たちを集められるなら、作成の実演をしても構わないけど?」

「何だと!? お前さんの自作だったのかよ!

 仕事まで見せてくれるんなら、そりゃありがてぇな!

 大至急で準備するぜ。ちっと待ってろ!」


 すたこらさっさと居なくなったムルド。

 エルフの長老もあんな下品な奴らの為にご苦労な事だと奥へと引っ込んでいく。

 皆に勝手に用事を増やしてごめんなと謝ったが、一番文句を言いそうなレラが意外な事にご機嫌だ。


「ふふふ、すごいね!

 妖精種の集落だよ。里に入ったのなんて僕らくらいなもんじゃないかな?

 そうだ!

 僕らが言う事を聞くなら僕の言う事も聞いて貰えるという事でいいのかな?」


 ちょっと待て。俺の労力を勝手に自分のものにするな!

 まあ別に対価求めるつもりはないから、無理を言わなきゃ構わないけど……


「ふっふーん、今更ながら僕の事が惜しくなっちゃったのかな?

 でも残念。僕は尻軽じゃないんだ。

 シュウと付き合うって決めたから諦めてくれるかな?」

「おい、シュウ。こいつシメて良いか? めっちゃ腹立つわ!」

「いやいや、レラのこれは素直に感謝できない照れ隠しみたいなもんだからな?」


 こ、これが照れ隠しだと!? ……いやいやどっちにしてもうざいよ!

 てかアキホたち大人しいけどどうした?


「いえ、話には聞いてましたけどケンケンは本当に全国のトップと知り合いなんだなぁって……」


 ああ、そうか。一応国のトップとの話し合いの場だったからか。


「堅苦しい思いさせて悪いな。もう少しでお仕事終わるから、我慢してくれよ」


 よし、大人しくしているんだから偉い偉いと頭でも撫でて置くか。

 これで大人しくするのが良いことだと認識してくれるだろう。


「おお、ケンケンらしからぬ漢らしさ。

 普段情けない癖にこういう時ギャップ萌え出して来るのは卑怯」


 いや、別に男らしい事はしてないぞ?

 今回の黒幕を倒したのはお前だからな?

 と言って見ても、もはや俺は会話の輪から出されている。

 アキホの言葉にルルたちが乗っかり、俺の隙間はなくなっていた。


 もういいや。ジェシカさんや。ドワーフの集落に案内してくれ。

 さっさと終わらせて帰りたいし。


「仕方ないわね。あ、実演で作った装備私にくれてもいいわよ?」

「それはそっちで話し合ってくれ。使う素材はあっちの物だからな」


 そう言えばオリハルコンがもうないんだよな。

 取りに行ってもいいけど、ここで貰えたりしないかな?


 ジェシカに案内されて岩山の麓に着いた。

 そこには沢山の人口的な洞窟が見受けられる。

 いや、洞窟と言っていいものかと思うほどに綺麗に作られている。


「すげぇな。これ作るの大変だっただろうなぁ……」


 キッチリと平らに慣らされた道と壁。通路の上には全部屋根がついている。

『クリエイトストーン』で作ったのだろうか。創作物一つ一つに文字や模様が入っている。

 ここまで凄い作りなのに、洞窟自体に門はつけないのだろうか?

 と覗き込めば中にドアがびっしりついていた。

 集合住宅みたいな感じなんだろうか。


 皆でやいのやいのドワーフの作品とも言える家を品評していれば、噂の彼らがドスドスと走ってきた。


「うぉぉ! 呼びに行く手間が省けたぜ! かき集めて来たから早速見せてくれ!」


 と、彼らの手にはオリハルコンの原石が握られていた。

 そう数十人は居るというのに大半の者の手には大きなオリハルコンの原石がある。

 一体何個作らせるつもりだよ!?


「まあ待て。

 出来たものを全部寄越せなんて言わねぇから安心しろ。

 ただ、失敗しても良い様にかき集めてきただけだ。

 加工出来る証明として剣と鎧でも貰えればありがたいが」


 あー、そういう感じね。

 んじゃ、さくっと終わらすか。と、彼らが持っている原石の半数を精錬して黒光りした綺麗な鉱物へと変える。


「『クリエイトオリハルコン』

「「「「うぉぉぉぉ!!」」」」

『クリエイトソード』」

「「「「うぉぉぉぉ!!」」」」

「『クリエイトアーマー』」

「「「「うぉぉぉぉ!!」」」」


 いや、逐一叫ぶの止めてくれない?

 てか大分余ってるな。これ、交渉すれば貰えるんじゃないか?


「装備一式作るからさ、この精錬した残りのオリハルコン貰えないかな?」

「お、おう! いいぜ!

 だがよ、今度はゆっくりやってくれ。

 俺たちは使いたいんじゃないんだ。作りたいんだよ」


 うーん、それはいいけどクリエイト系は……ってドワーフは使えるのか。

 流石に山自体を加工したあのレベルの細工は『クリエイトストーン』だろうしな。

 だけど……なら何故オリハルコンの加工が出来なかったんだ?


 まあいいか。

 とりあえず残りは望む通りゆっくり手順を見せるように作っていこう。


 結局、精錬したオリハルコンがなくなるまで永遠と作ったが覚えられたドワーフは居なかった。


 どうしても作りたいのだろう。凄い悔しそうな顔をしている。

 だがこれ以上作れとは言ってこない。気を使っているのかプライドなのか……


 しかし何でだろうと首を傾げていたら、ラキが教えてくれた。


「多分、ランクが低いからだと思う。

 確証はないけど、神様に貰った知識にそんなのがあったんだ」

「あー、要求レベル満たしてないのか。そりゃ無理だわ!」


 うん。それで当たりだわ。とラキの頭をわっしゃわっしゃと撫でる。

 嬉しそうなラキの後ろでフーちゃんが「なるほど、流石師匠」とつぶやいた。

 いや、これは技でもなんでもないよ? 褒めただけね?

 まあ、ラキは気持ち良さそうだけど。


「よし。ムルドさんちょっとこれに乗って」


 俺は、お一人様用のバケットシートつきカートを作成して彼を乗せた。

 ここからなら特訓で使った火山が割りと近い。

 原因がレベルだとはっきりすれば、そこからは自分次第となるので彼らも納得するだろう。

 俺的にもレベルで間違いないとふんでいるのでさくっとムルドさんのレベルを上げて試してもらおうって寸法だ。


 彼はバケットシートのすわり心地が気に入ったのか「ほう、いい仕事だ」と呟きながらすわり心地を確かめている。

 そこから彼と二人パーティー組んで全力疾走して殲滅して回った。

 絶叫するかと思ったが、彼は終始笑っていた。

 

「ハッハッハッハ、恐ろしいほどの威力だったぜ! 笑いしかでねぇ。

 おう、誰が何と言おうとお前は勇者だ。間違いねぇわ! ガハハ」


 彼は狩りを終えて戻る途中、笑いながらそう言った。

 そして、先ほどの山の麓の広場に戻ってきた。

 そこでは、アキホとペチが一緒になってクリエイトを使いドワーフたちに自慢していた。

 ペチまで……恥かしいから止めなさい。

 隣でミィがイジケている。何があった!?


「あ、ご主人様おかえりなさい。

 ふふ、ミィの事ですか?

 まあ端的に言ってしまうと自爆ですかね」


 とルルが前置きを入れて説明してくれた。

 ミィも一緒になって作ろうとしたら、失敗してしまったようだ。

 形を作るのが苦手だって言ってたもんな。

 そういうことなら後で慰めてあげればいいかな。


「てな訳で魔物をガンガン倒してきた。

 これで出来るなら強さが足りないって事だな」

「お、おう。じゃあ、行くぜ? 『クリエイトオリハルコン』」


 ムルドは原石に『クリエイトオリハルコン』を使った。

 鉱石がぐにゃりと一度曲がると弾けて半分が消失した。


「おっ成功だな」

「あ、あん? 失敗したじゃねぇか」

「いやいや。スキルは発動したじゃん。

 後はスキル熟練度と魔物を倒す事で成功率はほんの少しずつだけど上がるから」

「ちょ、ちょっと待て!

 使いまくれば熟練度が上がるのはわかる。だが、魔物倒す事でも上がるのか?」

「そりゃ上がるよ。けど、そっちはかなり微々たるもんだけどね。

 スキル熟練度の方がよっぽどわかりやすく上がるよ」


 大半のドワーフたちが口をパカっと空けて固まっている。

 よし。今の内だと一声告げて帰り支度を整えた。

 俺は約束通り、装備一式だけを残して加工した装備を全て頂いた。

 結構時間取られたけど、オリハルコンのストックも出来たし、さり気なく作っておいた突剣をジェシカにもプレゼント出来たし良かった良かった。

 ジェシカとは最初に会ったときに、突剣を貰ったきりだったからな。


 んじゃまたなと声を掛けたが、彼らはムルドを囲い彼のスキルをじっと見ている。

 そして、俺たちがこの場を離れる瞬間「うぉぉぉぉ」と雄たけびが上がり全員が拳を天に突き上げていた。

 きっと成功したのだろう。

 釣られる様にこちらもテンションが上がり、わいわいと楽しく会話しながら王国へと帰還した。




 ◇◆◇◆◇



 王国にある屋敷へと到着し、ここで全員を降ろした。


 お客の世話と移動の準備を使用人の子達にお願いして城へと出向く。

 こっちでの説明は簡単だ。

 勇者が国を乗っ取ってたから取り返してきたと報告するだけ。


 と思っていたのだが、王国でも褒美云々で何度も何かないかと尋ねられる事となった。


「今回は友人を助ける為に私用で動いたんだ。ちゃんとあっちで褒美貰ってるからさ」と伝えても、そこをどうにかとわけの分からない返し方をされた。

 なので、一つお願いする事にする。


 それは、結婚式の準備一式を国にして貰いたいと頼んだのだ。

 正直この世界の結婚式事情など一切知らないのだ。

 最初の一発目くらいは手本を見せて貰わないとな。


 日本流でやってもいいが、正直詳しくは知らないんだよな。

 それに、この世界の結婚式に憧れを抱いていたとしたら彼女達の夢をかなえて上げられなくなってしまうかも知れないのだ。


 大分変な頼みになってしまったので大丈夫だろうかと少し顔色を伺いつつ言ってみたが、何故か大好評だった。

 是非とも我らに仕切らせて欲しいと最後にはお願いされたくらいだ。


 日取りは早くとも二月後になるらしい。

 招待する相手の予定とかもあるとかでそれが限界だそうだ。

 まあ、当然だよな。

 マクレーンとかからだと普通の馬車じゃ数日掛かるらしいのだから。

 領主クラスの人だといきなり来月来てと言われても、調整が厳しいだろう。


 そこからが大変だった。

 招待する人の名前を挙げていったのだが、名前が思い出せない人が結構居たのだ。


 まず、俺の子供たち。

 これはもう無理。名前知らない子ばかりだもん。

 なので、リード伯に連れて来てもらうよう手配してもらった。


 後は大手商会の会長さんたちと学校関連だな。

 理事長とか担任の先生とかその娘のエドウィナとか。

 当然エレオノーラとアナスタシア、ハル、ルイズちゃん。


 後は冒険者関連だとサシャちゃんやアーミラさんだな。いや、いっその事『千の宴』を呼べばいいか。

 アルールのミアーヌさん夫妻も声を掛けよう。後はハンスにも一応。

 あ、アルールといえば、宿を子供達に任せてるんだっけか。その子らも連れて来てもらおう。

 他は貴族たちか。義父さんたちは当たり前として……ディケンズ候爵だろ。リード伯、マクレーン伯も声を掛けたほうがいいよな……ああ、でもこんなもんだわ。

 流石に貴族を避けてきただけはあるな。


 まあ、忘れてはいけない主要な人物は呼べただろ。

 あー、どうせだから帝国も国に手配して貰おうかな……よく考えてみたら、招待状を届けるのですらどうやったらいいのって感じだわ。

 だって住所知らねぇし。てかこの世界住所あんのか? いや流石にあるか。


 と話し合っていれば、結構いい時間になってしまった。

 褒美という事で、衣装から何から準備して貰えるようだ。金が掛かりそうな装飾や日本で言う指輪に変わるものは自分で用意する事となった。

 なので、前日に戻って来てくれれば間に合うように準備するといってくれた。


 早く帰ってその旨を嫁達に伝えたい。

 そう思って駆け足で屋敷へと戻った。


 屋敷に戻り、居間入ると皆がお帰りなさいと出迎えてくれた。

 

 シュウとレラは眠そうだったので部屋を宛がったそうだ。

 ユウキとフーちゃんは思い思いに寛いでいる。

 ユウキが居るからトラブルが心配だったが、特に問題は無さそうだ。


 ほっと一息つけば、留守番してた嫁達が寄ってきた。

 皆が好き勝手に口を開くからなんて言葉を返していいか迷っていたら、ミラが皆を押しのけて声を上げた。


「ラ、ランス……お話があります……」

「お、おう。何か、マジな感じだな。二人だけの方がいいか?」


 なにやら不安そうな顔をしているので問い掛けてみたら、やはり二人がいいのか視線を這わせたが、首を横に振った。


「お、おう。俺に出来る事なら何でも助けてやる。安心して言っていいぞ」

「…………赤ちゃん、出来ちゃった」


「「「「「ええっ!?」」」」」


 俺は、咄嗟に声が出なかった。皆が驚いて声を上げている。


「や、やっぱり、ダメだった……?」

「ち、違う! こういう時なんて言うんだ? ああ、よくやった! でかした!

 嬉しいぞ。めっちゃ嬉しい。ミラ、ありがとう!」


 思わず飛びつきそうになるのを堪えながらそっと抱きしめた。


「ほ、本当? だって私……」

「大丈夫だ! 言っただろう。そんな事は関係ないぞ。

 いや、そんな事よりこれからは安静にしてるんだぞ?

 戦闘なんて絶対しちゃダメだ。

 いや、外出も……待てよ……少しは体を動かさないとダメなんだったか?」


 興奮する気持ちが抑えられず、皆に如何したらいいと訪ねまわっていたら落ち着けと座らされた。


「まだおなかが膨らんでも居ないのだから相当激しい運動をしなければ大丈夫。

 ケンヤはいつも心配しすぎ」


 と、エミリーにまで窘められてしまった。


「そ、そうか。

 でも帝国行く予定だったけど、キャンセルした方がいいよな? な?」

「ランスさん、あんたの移動方法は歩くより振動が起きない程だからね?」

「ええ。リアさんに乗せて貰っても同様ですし、心配は要らないと思いますよ」


 ラーサとユミルにも呆れられてしまった。だが、皆顔が緩んでいる。

 良かった。皆も祝福してくれている様だ。


「あーあ、カミノさんとの子供を一番最初に作るのは私だと思ってたのに……

 でもミラさん、良かったね」

「……言うまで不安だったけど、言ってみたらこそばゆい」

「つーか、私には前もって言えよぉ! ビックリして心臓止まるかと思っただろ!」

「ランスが一番。それは当然」


 おお。いつものミラに戻ってくれた。


「という事は、ミラさんはランス様の寝室に近づけない方がいいですわね」


 ちょ、ちょっと待ってエリーゼさん? 俺、流石にそんな事はしないよ?


「てかあんた、どこまで性欲魔人なの? 私に近寄らないでよね!」

「いや、お前は帰れ。大事な時期だから本当に帰ってくれ。マジで言ってるからな」

「……っ!? ちょっと、それは酷すぎない?」


「酷くない! お前の所為でアキホが切れて魔法ぶっ放したら如何すんだ!」

 そうだ、今すぐ……今すぐ追い出さねば……


「いや、ケンケン……私も流石に自重するよ?」

「信じられるかぁ!!」

「ひどっ!」


 そこからアキホとの言い合いに発展したが、そんな事をしている場合じゃないと我に返った。


「じゃあ、どうする? 流石にこれから世界を飛び回るのはダメだし。

 拠点を決めてそこに居るようにした方がいいよな?」

「流石に戦闘させるのは拙いだろうが、王国と帝国を移動するくらいなら何一つ問題はないだろうね」


 ラーサのその発言に皆が首を縦に振った。


「あー、じゃああれだ。

 拠点を暫く帝国に移す予定だったし、そっちに移動して引き篭もろうか。

 うん、ミラを一人にするのも怖いし」

「ランス……信用しなさすぎ。馬鹿にしないで!」


 おおう。興奮しちゃダメ。子供にいくない!

 よーしよしよしよし!

 いてっ。こら、暴れないの!

 え? 何? 俺が悪い? ふむ……


「ああ、でもそうなるとあれだな。再来月に王国で結婚式挙げるから……」


「「「はぁっ!?」」」


 あ、そうだった。ミラのビックニュースの所為で忘れてた。


「さっき、城行った時頼んできたんだよ。結婚式の日取りが決まったから」


 皆口をポカンと空けて固まっている。


「いや、ミレイちゃんのご両親に挨拶した後、言ったじゃん?」

「そ、それは私も入っていると思って良いのですか?」


 いやいやいやいや、嫁全員だから。エリーぜが入ってないわけないでしょ!?


「こ、子供だからダメとか言わないよな? 私もちゃんと入って居るのだよな?」

「おう。アンジェも当然入っているぞ。

 エルフの長老に結婚の許可を正式にもらってきた。

 だから、そのうち結婚しましたって一緒に挨拶いこうな」

「だ、大好きなのだぁぁぁぁ!! 絶縁の挨拶なら行ってもいいのだぁぁ!」


 飛びついて来たアンジェをがっちり受け止めた。

 ミラが近くにいるから焦ったわ。

 アンジェを抱っこしてほっと一息ついたら、ルルが裾をチョイチョイと引っ張った。


「それは王国出身者が、ということですか?」

「いいや。全員だよ。まあ、希望するなら全員の故郷でやりたいと思っているけど、普通やっぱりこういうのはどこであろうと全員で出るものだろう?」


 その時俺は自分の言った言葉にヒヤッとした。

 そもそも普通なら全員も何もないだろうがと。


「そうね。確かに、最初は特別だし王国でやるからってのけ者にされたら悲しいわ」


 おお。皆普通に受け入れてくれてる。ジト目くらいは向けられるかなと思ったが。

 もう慣れたという事でいいのだろうか?

 もしかして完全にハーレムが完成した?


 マジか……ガチで出来ちゃったか。

 いや、今更だが感慨深いものだ。

 そう言えば、この世界に来て早々ハーレムはどうやっても無理って結論を出したっけな。

 だが、やってみれば案外いけるもんだ。


 そんな事を考えつつも、ミラを膝に置いて優しく抱きしめながら皆と結婚式の詳細を詰めていった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る