第7話転移者(主人公)殺人事件Ⅰ

「さぁ、はじめますよ? ご機嫌とり開始です」


リーナは不敵な笑みを浮かべ、自室から出て客間へ向かった。


「「おはようございます」」


「おはようございます」


移動中、他のメイドに挨拶された。


まずは手はじめにあの人間を「お嬢様」とでもお呼びしましょうか。


食事には好きなものをたくさん並べた方がいいですね。


アイスクリームも好きな食べ物の一つでしょうか?


あとで聞いてみる必要がありますね。


あとは、甲斐甲斐しくお世話すれば好感度アップ間違いなしです!


「フフ‥‥‥フフフフフフフフ‥‥‥」


奇妙な笑い方をするリーナを見た他のメイドたちは、


「リーナさん、なんか今日、気合い入ってますね‥‥‥」


「そう‥‥ですね」


若干、引いていたのだった。





リーナはドアをノックし、客間へ入った。


「お嬢様、おはようございます。昨夜、晩御飯とお風呂はまだでいらっしゃいましたよね? まずは朝食をとってください。その後、お風呂に入りましょう」


リーナが呼びかけるが、ベッドには少女の姿はない。


「お嬢様?」


リーナは歩いて部屋の真ん中まで移動し、足を止めた。


リーナは目を見開き、口を手で覆って後ずさる。


「お嬢様あぁぁあぁあーーーーー!」


リーナの叫び声が客間の外にまで響き渡り、メイドを含めた使用人たちや兵士たちが次々に入ってくる。


「何事ですか⁉︎ リーナ!」


「一体、誰がこんなことをっ!」


「きゃあぁあぁーーー!」


皆、驚きを隠せず、唖然とする者や叫び声を上げる者もいた。


それもそのはず、ベッドの隣の床には仰向けで、白目をむき、開いた口から血を流す、少女の変わり果てた姿がそこにあった。

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