第4話「するおの考察」

ちょっとした、ヒントになります。

ヒントなしで解きたい方は、見ないでね。








「きっと、スイスよ!スイスに違いないわ」

 自信満々にラビリンスは語った。よほど自信があるのだろう。


「そんな、アンチョビな!いや、安直な」

 アンチョビだとカタクチイワシになってしまう。


「だって、はじめと終わりが同じ国って言ったらスイスじゃない?」


「それだったら、アルジェリアとかアルメニアでもいいじゃないか?」


「でもスイスは、くるくるするじゃない?スイスイスイスイスぅ!」


 その言葉を聞いて、ひらめくものが、するおにはあった。

「そうか、くるくるも関係あるよな絶対……

 くるくるの中では始まりも終わりもない

 くるくるの中では始まりも終わりも同じ……」


 するおは考えた、始まりも終わりも同じと考えるなら確かに、スイスはそれっぽい答えだが、はたしてそれだったら、始まりも終わりもないなんてメッセージを込める必要があるだろうか?


 くるくるもヒントだとしたらどうだ?

 くるくるとはなんだ?


 トルクメニスタン、クルド族?

 いや関係ない気がする。


 今俺たちの中でくるくるしたことと言えば……


「ラビィ……答えは出た。世界を回るという言葉にも意味があったんだ」


「どういうこと?」


「世界を最も回ってる言語はなんだとおもう?」


「そりゃあ、やっぱ英語じゃない?」


「そして、さっきまで俺達の中でくるくるしてたものは何だろう?」


「うーん、二人の関係かしら……」


「そりゃあ、僕の思いが空回りしてるってことかな、ラビィ……」


「それはどうかしらね? ねえさっぱりわからないわ、はっきり言ってよ」


「なんでわからないんだぁ……ラビィは国名の方を基準に考えてるからわからないんだよ。はじめも終わりも同じなのは国名じゃなかったんだよ、くるくるさせたものの中から考えればよかったんだよ」


「……もう、さっぱりわからないぃ! するおのこと嫌いになっちゃいそう。やっぱスイスなんじゃないのぉ?」


「嫌いにならないでぇ。 まあ、もう答えは出てるよ、安心してねラビィ。これは謎解きじゃなくて脱出ゲームだ。今まで出てきたものも十分に材料であるということを忘れちゃいけなかったんだ。くるくるとは前の部屋にあったもののことさ!」



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