第3話「第二の部屋 始まりと終わりの部屋」

暗闇の中で、いや暗闇と呼んでいいのか?

黒い部屋の中で二人はしばらく呆然としていると、またしてもどこからともなく周囲から子供の声で歌が聞こえてきた。

まるでわらべ歌のようであった。


『くるくるくるくる楽しいなあ

 くるくるの中では始まりも終わりもない

 くるくるくるくるうれしいなあ

 くるくるの中では始まりも終わりも同じ

 くるくるくるくる回ろうよ

 世界中をくるくるくるくる

 くるくるくるくる

 くるっちゃえ

 くるっちゃえ

 くるっちゃえ

 くるしめ

 苦しめ』


複数の幼子の声で、この歌が繰り返された。

「こわいよ、やだよぉ、かえりたいよぉ」

ラビリンスは、耳をふさぎ、その場にうずくまってしまった。

無理もない、暗闇で小さい子供の声で四方八方から呪いのように歌われたら、誰だってまともではいられまい。


そっとラビリンスの肩に手を当て、

「だいじょうぶ、僕が必ず、この部屋から脱出させるから」

と精いっぱいの強がりを、するおは見せた。

するおは、冷静でいなければいけなかった。この歌がヒントになってるのは間違いない。恐怖と戦いながら、この歌をよく聞かなければならなかった。


やがて歌が終わると、黒色の床に、何やら図形を模した光の線が映し出された。


「なん、これ……?これは世界地図か?」


するおの目に映ったものは、床に光りだされた巨大な世界地図であった。

ご丁寧に、世界地図は国境ごとに線が引かれている。


自分たちが今いるところは日本のようだ。


「これはつまり、国を選べということだろうか?ラビリンス、しっかりしてくれ。また謎解きの時間が来た、さっきの歌をヒントに、国を考えるんだ? おびえてる場合じゃない!」

やる夫はラビリンスの手を取って、起き上らせた。

そして世界地図を見るように促す。


「……ごめんなさい私には何もわからないわ、でも……はじまりと終わりが同じ国っていうのは、もしかして」



さて、いったいどの国を示せばよいのか?


※明日、ヒント出します。でもできればこの状態で導いてほしい。気づいたらすごい気持ちいいですよ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る