第2話「第一の部屋 解決編」
「そ、そうか!わかったぞ」
「えっ、するおくん? やっぱり自由でしょ答えは」
「ちがうよ、この部屋にあるものをすべて思い出すんだ」
「うーんとぉ、ナスと島と……穴、それから砂もあるわね?」
それをきいてする男は指を横に振って、違うアピールしてる。
それにしてもこの男どや顔である。
「それに、ドアと窓もある。窓、ドア、穴、ナス、砂、島。この順番で聞いていくと何か思わないか」
「まど、ドア、アナ、ナス、スナ……?あー、なんかしりとりなのかな。でもシマだけどこともつながんないよ?」
ラビリンスは、マド、ドアと繰り返しながら首をかしげる。
そしてするおは今日一番のどや顔を決めた。
「それだよ、それがないものなんだ。マド、ドア、アナ、ナス、スナ、シマ、マド。
シマからマドに続いて一周する。スナとシマをつなげるには?」
「あぁ、そっかあ!この部屋にはナシがないんだ!ナシがないなんてダジャレじゃん」
「そうと決まれば、ナシと入力してさっさと出ようぜ」
するおは慎重に「ナシ」とタッチパネルに入力した。
【セイカイデス】
という声がどこからともなく聞こえてくると、瞬く間に部屋をかたどっていた四方の壁が一瞬にして消え去った。崩れるのではなく、消え去った。
「いったいどうなってるの?」
あまりに現実離れした事態に、ラビリンスは震えた。
そして、二人は目にした。
消えた壁の先には何もなかった。ただ虚空が広がっていた。
密室ではなくなった、その点では自由を手に入れたが、二人は全く安心できなかった。
二人の視界の中には何も映ってなかったからだ。見渡す限りの闇……。
これが明かりがないから周囲が何も見えないわけじゃないということだけはすぐに理解できた。
なぜならお互いにお互いの姿を見て確認することはできたからだ。
「いったい、どうなってるんだ?」
【第2の部屋にようこそ、それでは始めます】
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