青春病のきみたちへ
小谷杏子
青春病のぼくたち
今日という日が終わる直後、僕の予想通り、それは起きた。
「さやちゃん、掃除当番代わってー」
森崎が粘っこい猫なで声で「さやちゃん」と言う。それだけで場の空気が酸素を一気に抜いたかのような息苦しいものに変わった。
「今日は塾だからさ。遅刻したくねーんだわ」
森崎はニヤニヤと下卑た笑いを向けて、小柄な男子に圧を向けた。
窒息しそうな僕らを無視し、南風は微笑を浮かべて愛想よく返した。
「あ、そう。大変だなぁ。いいよ、おれがやっとく」
「よろしくー」
「おう」
南風は明るくも、どこか涼しげだった。森崎はその反応を面白がっていて、結局は南風をバカにしたいだけなんだろう。
「あいつ、勉強する時間いらないんだろ」「俺たちは勉強しなくちゃだしな」「掃除してる時間がもったいない」
森崎は数人の仲間を引き連れて廊下に出る。そして、嘲りを反響させて笑う。わらう。
何が面白いんだよ、ほんと、空気が悪い。
お前ら、バカじゃないの。それ、自分は頭悪いって吹聴してるようなもんだろ。負け犬の遠吠えをさも自慢げに見せつけて。そんなだから、いつまで経っても南風に勝てないんだろ。
そう言ってやりたいけど、僕も僕で卑怯者だから黙り込んでひたすら息を殺した。
これ、加害者ってやつなのかなぁ。南風が嫌がってるんなら、それを見て見ぬふりしてるあの子やあいつ、あいつらも森崎と同類になってしまうんだろうな。
将来、これを振り返って嫌な気持ちになるのだろうか。今もとても気分が悪いけれど。
今日という日が終わる直後、僕の予想通り、それは起きた。だから、今日こそはなんとか行動したいと決めていた。
「……南風」
恐る恐る、彼に近づいてみる。南風はほうきとちりとりを手に持って「ん」と軽い音で振り返った。
「何、
ちなみに、僕も「サヤ」がつく。だからか、余計に南風が他人とは思えないのかもしれない。
「掃除、別に君がしなくてもいいんじゃないの」
手伝おうか、じゃなく僕から出た言葉はそっけないものだった。対し、南風は「あー……うん、まぁ」と濁している。そして、ちりとりを自分の机に置いて床を掃き始めた。他に残っていたクラスメイトたちはすごすごと廊下へ出ていく。僕らをチラチラ見ながら。
「やめときなよ。明日の朝、森崎たちが先生に怒られればいいって思わないの」
なおも僕は彼の説得を試みている。でも、手伝おうとはしない。
だって、それをしてしまうのはただ「優しい」だけであって、そこから友情が芽生えたりなんてことがあったとしても本物とは呼べないだろうし。無償の「優しさ」に彼をつけこんでしまうくらいなら、正しいことを諭すだけでいい。
「うーん、そうだなぁ……でも、教室が汚れてたら嫌だし」
南風はこちらの思いを露も読み取らず、僕の上履きにほうきを当てた。そして、「じゃま」と言ってどかそうとする。
そのぶっきらぼうさに驚きつつ一歩引いてみても、僕はやはり、ちりとりに手を伸ばしはしなかった。黙って次の言葉を考えている。
するとふいに、くはっと渇きを含んだ笑いが南風の口から飛び出した。その音があまりにも彼らしくなくて、僕はキョトンと目を開く。
「あぁ、いや……なんて言うかさ」
自嘲の笑いには歪みがある。声はあの明るげに愛想のいいものではなく、低音のだるい音に変わった。
「ほら、あいつらも一応はちゃんと勉強頑張ってるわけじゃん。それについてはおれも評価してるよ。あいつらだって一生懸命なんだし。おれをけなしたいのは、まぁ、腹いせとか憂さ晴らしとかそういうことだろ」
そう言って、口角をつりあげる。
この仕草で、彼を「優等生」たらしめるパッケージが思い切り破られた。途端、僕は心にブレーキをかける。
関わらなければよかったという後悔、そして押し寄せる不気味さ。ついばまれた虫の死骸を見るような気分。
優しいあいつの裏の顔、というやつを目の当たりにしたからだろう。なんとも返せず、共感もできずにただ「うわぁ……」と引いた声を漏らした。
そして、不気味は次第に不快となる。
評価って何様だよ、と言いかけて言わずに口をぎゅっと結ぶ。それを見てか、南風は愉快そうに肩を震わせて笑った。
「おれ、そんな優しいヤツじゃないよ?」
「あぁ……うん、それは今知った」
成績と人当たりがいいってだけで、僕は彼を特別視していただけに過ぎなかった。それに気づけば、僕は有頂天のようでも落胆のようでも、とにかく不思議な気分になる。
そんな僕の感情を無視して彼は軽快に話した。
「でもね、優しくなりたいなぁとは漠然と思うね」
「優しく……って、普段のようじゃなくて?」
「うん。だって、普段のおれは腹ん中で他人を見下してるんだから。上辺だけだよ、あんなの。それに人並みにムカついたり、泣きたくなることだってあるんだ。見せないだけで」
ほうきを動かすそのリズムと合わせるように、テンポよく言葉を投げてくる。教室の四隅や床なんかに声がぶつかりながら、僕の耳に届いた。
「耐えるのは簡単なんだけどさ、て言うか、いつも耐えてるからもうそれが染み付いちゃってるし。それにあいつらは所詮、おれには勝てないし。だからまぁ、ほっといてもいいかなって」
ざざっと一気に塵を掠めていく音。僕は黙って聞いている。掃く音に乗っていて、声は軽快に聴こえた。
「あいにく、おれは我慢に慣れっこなんだ。うち、下に妹がいるんだよ。2個下の。アホのくせにわがままで言うこと聞かないからいつも母さんに怒られてるバカな
皮肉だろう。彼の声には人をバカにした節があって、でもそれがどうにも嘘っぽいものだから共感しづらい。
家族のことを、妹のことをそうやって言えるくらい辟易しているのか諦めているのか、それとも仲がいいのか。
それに、彼と話をすることなんて滅多にない。まさか南風がここまで自分のことを暴露していくことに驚いて反応が出来ない僕は、考えるのをやめて「へぇ」と取り留めのない返事をしておいた。
すると、彼は不満あらわに「聞いてる?」と唇をとがらせる。
「うん、聞いてる。ただ、君のイメージがボロボロに崩れてってるからどう反応したらいいか分かんないだけ」
「ふうん……」
南風は教室中の塵を掃き終えたらしく、机に置いていたちりとりを手に取った。
「おれのイメージ、悪くなった?」
その問いかけは、ニヤリと笑いながら。
だから僕も頬を引きつらせておく。
「まぁね。クールで腹黒いやつってイメージに変わった」
「あぁ、間違ってはないな」
その言い方は満足げで、ちりとりに取ったものをゴミ箱に放った。
「クールか……なんか、青いイメージだなぁ」
舞った埃を払いながら、彼はボソボソと独りごちる。
「青?」
「うん。青って冷たい色だろ。この間、美術の授業で青は寒色だって言ってたし。だから青は優しくない、冷たいイメージ」
「……冷たい青で腹黒いって、なんか毒々しい色だね」
率直に言ってみれば、彼は声を上げて笑った。僕は呆気にとられていて、笑う気になれない。でも、彼はツボにはまったのか、しばらく腹を抱えて笑う。
「いや、もうほんとそれ。毒なんだよ、おれ」
彼は掃除用具入れに、道具を投げ捨てながら言った。そして、笑顔を僕に向ける。
「優しくなりたいんだけどさ、青はそうなれないから。だったらもう、諦めるしかないんだよ」
僕と南風はそれから一緒に教室を出た。なんとなく、一緒に歩いた。
無言でいるのも気まずいけれど、南風はどこ吹く風でいるから僕からは話しかけることはなかった。
元々、仲がいいってわけじゃないから。ただ、僕の中で許せないものがあったから彼を諭したかっただけ。本当は森崎に文句を言えばいいのに、あいつの標的にされてクラスに居づらくなるのはもっと嫌だった。
僕はどうしようもなく悪いやつ。保身だけを考えている。それが堪らなく気持ち悪くて、苛立ってしまうわけなんだけれど。
それでも勇気は息をひそめている。
「――鞘本」
昇降口に入った途端、南風が言った。変わらず、だるい音で。
「お前はこっちに来るなよ」
「え?」
言葉の意味を脳にこすりつけて考えないといけないくらい、僕の頭の回転が急速に鈍った。
こっちに来るな――それは、つまり……
「あぁ、もう鈍いな。あ、そっか。おまえ、成績100位にも入らないバカだったよな」
南風は口の端を上げてわらう。それを見ても、聞いても僕は「はぁ」と返すだけ。怒っていいんだろうが、あからさまな悪態が逆に拍子抜けで。
それでもなお、彼は見下したような笑いを向けてきた。
「まぁいいや。間違っても、目立つようなことするなよ」
南風はもう僕を見ずに、ボロボロに刻まれた靴を履いてさっさと玄関を出ていく。その背中は夕焼けの影になっていて、輪郭がぼやけているように見えた。
***
こっちに来るな、という意味はなんとなく分かっている。
間違ってもおれをかばうな、と言っていたんだろう。そりゃ僕も自分の命が惜しいわけだから危険な真似はしたくない。
それに、まだ事は表面化されていないから動きようがないのもある。
森崎は今の段階では言い逃れできる位置にいる。そして、南風は受け入れている。腹の中では毒が渦巻いているようだが、上手くやり過ごしているのも事実。
どうにも境界が曖昧で、僕をはじめとするクラスメイトたちは森崎の行いを見定めているのだ。彼らが南風に身体的暴力を加えれば、誰かが教師に報告するかもしれない。もしくは、南風自身が訴えるか。
そんな期待を抱いて翌日も、何事もない様子を繕って登校する。
森崎は今日も面白がって南風を使いっ走りにしていたし、南風も自然に受け止めていて。いつもと変わらない。
そもそも彼らは親しい間柄だった。それが、中2の1学期中間テストで差が出てしまった。
やがて、森崎は南風の無頓着な姿勢に漬け込んであれこれと理由をつけてはパシリにし始めた。勉強しなくちゃいけないとか、塾があるとか、忙しいからとか。これが頻繁になってきて、グループ内だったのが教室内でも目立つようになっている。
僕らはそれを上辺だけ知りつつ、空気の悪さにムカつきながらも、結局は他人事でいた。隠していた。
そして、クラス全員も隠しきっている。おそらく南風のことを良く思っていない連中もいるにはいるんだろう。
何せ、彼はなんでもそつなくこなし、学年でもトップの成績を修めている優等生。人当たりはいいけれど、どこか壁があって近寄りがたい。森崎との仲が健全だった頃もそう。
だから、傍目から見ると南風の心境に気づける人はいなかった。僕もそうだった。
まさか彼が森崎を挑発して殴られるという、そんな事件が起きるまでは。
森崎の激高は、またたく間にクラス内を渡った。風の噂とか、そんなものではなく光の回線のような速さで。
だから、教師にも話が伝わるのも時間の問題だと思われた。その前に僕は、保健室にいる南風の様子を見に走る。
部屋のドアを開けると、保険医に傷の手当を受けていた彼の姿がまっすぐ目に入った。頬にくっつけた
「南風……どうして、そんな……」
出てきた言葉はそれがやっとで。別に彼を非難したくはなかったけれど、驚きが強すぎて飛び出してしまった。
薄情な僕を見て、保険医が眉をひそめる。でも、咎められる前に南風が「よぉ、鞘本」と場違いな明るい挨拶を投げて寄越した。そうすれば保険医はもう口を出そうとはせず、怪我の状況なんかを書き留めることに専念する。
一歩ずつ、ゆっくりと近づけば、南風は眉をしかめて自嘲気味に笑った。
「つい本音が出ちゃってさ。失敗だよ」
「失敗って……じゃあ、あいつにちゃんと言ったんだね?」
「まぁ、そんなカンジ」
彼は頬の痛みなど気にしない素振りで笑った。なんと言ったのかは知らないが、森崎が手を出すという状況になるほどの暴言を吐いたのかもしれない。そこまで推測できるのは、多分、クラス内では僕だけだ。
「それにしても、なんでおまえ、ここまで来たんだよ」
氷嚢をもみながら、南風は非難がましく言う。
「おれ、言ったよな。目立つようなことするなって」
説教するようにあとを続ける。でも、僕は彼と同級生であって、クラスメイトだ。指図される覚えはない。
しかし、僕も僕自身の行動がいまいち分かっていなかった。何故、仲良くないただのクラスメイト――不遇な彼に肩入れしようとしているのか。
「まさか、心配しに来てくれたの?」
問いの調子は、彼に似合わないおどけたものだった。すると、僕の口は勝手に「してない」と言う。
途端、南風の眉が下がれば、表情は一気に冷め落ちた。
「じゃあ何しに来たんだよ。怪我したおれを笑いにきた? おまえが流されて受け止めてるのが悪いんだってわざわざ言いに来たのか」
「違う」
いじめられる理由なんてない――そんな薄ら寒い正論が出てきそうで、ぐっと喉元でこらえる。
彼に「正論」は通じない。それこそ「見当違いも甚だしい」と笑い飛ばしてくるに決まってる。彼に、どこぞの青臭い説教をすることこそ無意味だ。そんなことは求めていないんだと思う。
彼を自分勝手に査定したら、僕はもう何も言うことはできなかった。
一体、僕はどうしたかったんだろう。
彼のことを心配はしている。けれど、彼のことを自業自得だと冷めた目で見ている部分もある。
僕は、自身を優しい人間だと
僕があの空気を嫌がったから、彼を助けたいなどと傲慢に思ったのかもしれない。自分のために彼を助けようと考えたんだ。
だから、あの時も今も、声をかけてしまったんだろう。
「……ごめん、南風」
震えてしまいそうだったけれど、出にくい声を固く絞ってゆっくりと言う。勇気を出そう。
「僕も自分が何をしたかったのか分からない。でも、君が理不尽をぶつけられているのが、どうしても耐えられなかった」
「………」
「僕が嫌だったんだ。あの汚れた空気にいるのが。とても、気分悪くて。だから、僕は森崎も君もかばったりはしない。迷惑なんだよ。ああいうクズをのさばらせて、関係ないヤツを巻き込んで。もう、嫌なんだ」
最低だ。
でも、きっと僕はそういう人間なんだと思う。結局は、彼のことを思いやっていないんだから。
言葉にしてしまうと、全身が果てしなく重たく感じた。水中に体をうずめるような。冷たくて重たい水圧に潰されそうな。ドロドロとした毒色に沈むような……
「――おまえが傷ついてどうするんだよ」
濁った空気に、呆れの音がぽかりと浮かぶ。
南風は、不機嫌な表情で僕をじっと睨んでいた。そのふてぶてしい口が動く。
「でもまぁ、悪かったよ。ごめん。こうなる前におれが森崎を止めるべきだった」
「いや、ちが……」
「だって、言おうと思えば言えたんだし、止めることだってできた。でも、おれがあいつを見下したくて、そう仕向けたんだから。おれが悪いんだ」
そうして、彼は「森崎を悪者にしてしまったなぁ」と脱力に言い、ため息を落とした。
「おれがこんなヤツだって知ってるの、鞘本だけだし、この際だから全部言っちゃうけどね」
彼は氷嚢を膝に置いて、青紫の頬をあらわにした。痛々しいその色に、僕は彼がいつしか言った「青は優しくない」という言葉を思い出す。
同時に、南風は一つ、深呼吸をした。
「森崎は丁度いいヤツだった。人生のスランプを乗り越えるのに利用できるって。そうでもしないと、おれはいつまで経っても優しくなれないって思ったんだ」
語る唇はなんだか寂しげだった。僕はそれをただただじっと押し黙って聞くしかない。余計な横槍は無粋だと思うから。
「でも、結局おれは優しくはなれないんだなって気づいたよ。今日のことで。自分が傷ついてみれば、人の痛みが分かると思ってたけど……そうじゃないみたい」
彼はもう一度、氷嚢を頬に当てた。その冷たさに身震いする。そして、僕を上目遣いに見て「聞いてる?」と確かめてきた。
僕は、俯いたままでいてなんと答えたらいいか分からないから「聞いてる」と返すだけ。彼は満足そうに「そう」と言い、微かに笑って話を続けた。
「おれ、おかしいんだ。最近、ずっとそんな感じで。何をしても曖昧で微妙な虚しさがあって、落ち着かない。急に何の意味もなくムカついて、妹に八つ当たりしちゃうし。それで、おれは冷たい人間なんだって気がついたら、さ……」
少し、言葉を切る。
段々と歯切れが悪くなる声に、僕はついっと顔を上げて彼を見た。
南風の顔色は変わらない。でも、その目は虚空を見つめるようだった。
「気づいたら、怖くなったんだ。おれはこの先もそんな風に生きるのかもしれないって」
無表情に言う彼の声は淡々としていて、まさに冷たい色を帯びている。
僕までもが氷を当てられているような、傷口に鋭い冷たさを注ぎ込まれたような、ひりつく痛みを感じた。
「優しいってなんなんだろうな、ほんと。分かんなくなる。でも、おまえみたいなヤツが『優しい人』なんだろうなーって、今しがた気づいたよ」
ぽつりぽつりと語る南風は、僕を見て軽薄に笑った。その笑いの奥に潜む、彼の叫びみたいなものを聴いた。「やさしくなりたい」という、そんな嘆きが。
僕は唾を飲んで、喉の奥を震わせた。やっぱり声が上手く出せなくて、咳払いしてもう一度。
「僕だって優しくないよ。君に羨まれるほどの優しさなんてない」
「いいや、そんなことはない。わざわざ声かけてきたり、ここまで走ってくるようなヤツが優しくないわけがない。おれは、そういうバカになりたいんだ」
「バカって……」
南風は隙きを与えずに「でも」と続ける。
「なれたらいいなって思ったから、今度からはおまえを見習うことにするよ」
彼の言動はやっぱり上から目線だった。でも、そこに冷たさなんてない。
優しい人になりたい。
僕もそうなりたい。
でも、彼が僕に憧れたなら、僕はこのままでいいのかもしれない。
思わず彼の頭に拳を落としてみた。こつん、と。軽く。
「え」
目を大きく開く南風。その驚きようがとても新鮮で、僕は笑いだしたくなった。でも、無理矢理にしかめっ面を作っておく。
「生意気」
それだけを投げつけると、彼はキョトンとして、次第に吹き出して笑った。頬が痛むくせに、腹を抱えて前のめりに笑う。
なんだか、それだけで僕らはいい友人になれるような気がした。
それが、僕と彼のはじまり。
14歳の初夏と夏と、秋の入口までのこと。
その儚く短い時間が永遠に続くような錯覚をして、生きづらくて息苦しい日々を二人でしばらく楽しんでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます