第33話 とある魔法少女の日記

〇月×日 晴れ


今日ついに。

ついについについに見つけました!

見つけたんです!魔法使いを!!


そう、ついに見つけちゃったんです!


私の夢。魔法少女計画が始まるんです!


そう!あれは今日の夕方。

近くの宗像公園で、日課の魔法使い探しをしていた時の事です。

その日ついに、私の目の前に魔法使いが現れたんです!


この2年間、雨の日も風の日も休まず続けていた努力が、遂に実ったんです!


…………ごめんなさい。嘘をつきました。

流石に雨や風の強い日はお休みしてました。

魔法少女を目指しているとはいえ、流石のまどかも大自然の前にはなすすべも無いのです。


でもそんな事はどうでもいいんです!

重要なのは今日!私の目の前に魔法使いが現れた事なんです!


本当はすぐその場で声をかけたかったのですが。

小さなとき母から教わった、敵を知り、己を知らば……なんだったかな?

うーん、思い出せない。

まあ、それは後で調べる事にして。


要は何かをする時は、事前に下調べをした方がいいって事です。

その母の教えに従って、声をかけずに後を付けることにしました。


途中までは順調だったんだけどなぁ。


住んでいるマンションまでは分かったんだけど。

残念ながらセキュリティに阻まれて、名前や部屋番号までは突き止められなかったんです。


仕方がないので、明日からマンションの近くにあるコンビニエンスストアで待ち伏せしようと思います。


あーたのしみだなー。

早く魔法少女になりたーい!


―――――――――――――――――――――――――――――――――――


〇月〇日


成功です!

弟子入り成功です!


コンビニで待ち伏せしていたところ、ついに現れました!


そこで、私の思いの丈を魔法使いさんにぶつけたんです!

そしたら魔法使いさん、感動して二つ返事でオーケーしてくれました!!


ごめんなさい、嘘をつきました。

本当は相手にされなかったんです。


でも母から伝授されてた必殺技を使ったら、上手くいきました。

流石母です。

伊達に敏腕弁護士と呼ばれている訳ではありません。


とにかく、日曜から魔法を習う事になったんです!

私の魔法少女デビューも近いです!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る