第3話 幕間
今回は2時間か…
全く足りない。
魔法の改良は勿論だが、何よりの奴の意識改善が最重要か…
右手に抱える赤毛の女、アルビダを一瞥する。
海賊の女頭領だったような女を、生かしておく理由などない。
さんざんやりたい放題やって生きてきたような女だ。テール姫の言うように、縛り首こそがこの女には相応しいだろう。
だが奴が気に入っている以上、死なせるわけにはいかない。
面倒だが、宰相辺りと上手く交渉するしかないな。
しかし…この2人はいつまで続けるつもりだ…
「あなたはどう足掻いても縛り首になる運命です!勇者様に色目を使った所で無駄です!」
「無駄かどうかは勇者が決める事さ。あんたがどうこう口出しするようなことじゃないよ。部外者は黙ってな」
「なんですってぇ!」
今にもアルビダに掴みかからんとするテール姫を見て、溜息が出る。
王族である姫が海賊と同レベルで言い争いをするとは…
所詮女など、一皮むけば皆同じという事か。
「二人共その位にして貰えないか?二人に暴れられていたのでは、このまま飛んで帰るのに支障が出てしまう」
「ご、ごめんなさい勇者様…」
「此方としては、支障が出ても特に問題はないんだけどねぇ」
「だろうな」
このまま行けばアルビダは間違いなく縛り首だ。
どうせ死ぬのが決まっているなら、安全な旅路に意味などははい。
「俺に協力するのなら、その命救ってやらん事も無い」
「ゆ…勇者様!何をおっしゃるのですか!!」
「へぇ、そいつはまた美味しい話ね。詳しく聞かせて貰えるかしら?」
アルビダがスッと目を細め、此方を値踏みするように見つめてくる。
「お前の背後に居るものの情報と、その壊滅に協力しろ。そうすれば自由方面とまではいかないが、お前の身の安全は俺が保証しよう」
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