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止まない雨に響く音。
(テーマ提示7.5)
雫が跳ねて、頷く青葉。
(描写。7.7下の句)
濡れない革靴、ひさしのおかげ。次のバスまで待ちぼうけ。
(主観の状態。主観より情景が重要。韻)
少し湿ったベンチに陣取る。
(主観の状態。雨の長さの提示、ベンチの状態と『陣取る』による、一人だけという状態の提示)
とんとん、トタンに雨が鳴る。止まない雨粒ワルツを踊る。
(頭韻。鳴るは楽器のイメージからワルツ)
かさりこそりと草を分け、黒い毛色の猫一匹。
(字余り。難しい)
──こんにちは
無視しておすまし黒い猫。隣に座って毛繕い。
(し、で踏む前半。おすましと毛繕いがかかり、こちらに無関心な猫)
二人で晴れ間をじっと待つ。
(3.4.5のリズム)
スマホの電池を確認し、4パーセントにうなだれる。
(スマホと電池で音の高低が同一。パーで伸ばしたあと音も主観も落下、低下のイメージ)
脚をぶらぶら、暇になる。
尻尾ふりふり、目を瞑る。
ぶるんぶるんと道路を揺らし、いつのまにやらバスの時間。
(ぶらぶら、ふりふりよりも大きいぶるんぶるん)
それじゃあまたね、と手を振って、猫が一声にゃあと鳴く。
(音に帰結)
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