第9話

溺死霊「ひっ・・・。ごめんなさい。」

青年「悪魔さん、静かにしてください。全く。驚かしてすいません。大丈夫ですか?」

悪魔「お、お、お、なんだおめえ!」

溺死霊「キャ・・・。やだ。ごめんなさい・・・。許して・・・。」

青年「あぁもう、怖がらせないでくださいよ。悪魔さんの尻尾ちぎってその口に入れて塞ぎますよ。そのツノを二本ともケツに刺しますよ?」

悪魔「お前悪魔より猟奇的だな!?」

溺死霊「・・・。」

青年「ほら、大丈夫だから。」


青年はその溺死霊にそっと触れた。

溺死霊「え?私を触れるんですか??」

悪魔「こいつは特例なんだよ。まぁだから大丈夫だろうよ。あとびっくりしてすまんかったな。化け物だと思ってよ」

溺死霊「あなたもひどい見た目ですよ。醜くて悪魔みたい。ふっふっふ。」

悪魔「てめえこそ、なんだその長い髪は!しかも手がねえじゃねえか!俺はあるもんねー!」


青年「あー喧嘩しないでくださいよ。全く。ところで、溺死霊さんは何してたんですか?」

溺死霊「こうやって通る人にちょっかい出して遊んでたんです。ここには鏡がなくて、自分の姿が見えなくて、だから通る人を見つめてたら、みんな怖がって逃げて・・・。悪戯ばっかしたから、ついに悪魔がきたと思って、怖くて・・・。」


青年「なんだか筋が通ってますね、悪魔さん。」

悪魔「お、おう。まぁこいつも迷ってたんだろうから、連れてくのが俺の役割だな。よし、行くか。」

溺死霊「はい・・・。」


悪魔「俺につかないで、青年にピッタリくっついてるのは、なぜだい?」

溺死霊「こっちのがイケメンだから・・・。」

悪魔「チッ・・・。」

青年「悪魔さん尻尾とツノが太くなりましたよ。」

悪魔「なぬ!?」

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