2日目


やっと太陽が登り暖かくなった頃、ほとんど眠れていない頭を振り、井戸水を飲んで顔を洗う。頭もボサボサで、手櫛で何とか繕った。

ステータスを確認すると、1000ポイントに戻っていた。まず真っ先に、安いという理由で、ダンジョン(地下)を300pで作成する。目の前に地下への入り口が現れ、覗くと広大な暗闇が広がる。

真っ暗だなー。明かりは…?火とか使えないんだけど。


絶望感に襲われつつ、ある種の希望を込めて日用品(中)を300pで入手。

中にはなんと!なんとおおおおおお!火起こし機の様な物が入っていました!やったー!

…と思い、二時間程。普通の女子高生が簡単に火を起こすなんて出来ませんでした。

小さな長方形の板にある溝に木製の木棒を嵌めて回すだけだが、どうやらコツが要るようだ。


お腹空いたよ~

疲れたよ~

お尻痛いよお~!


涙目でポイントを確認する。残り、400p…どう使うか。…ん?そこで、体に妙な違和感があった。急に力がみなぎって来るような?

もう一度、ステータスを確認する。


『ステータスオープン』


【ステータス


名前 ソラ

職業 ダンジョン マスター

レベル 2 ←new

体力 6/12←new

魔力 10/12←new

スキル (魅了) (隷属) (召喚) (移動)

ポイント 400/1100←new

*ポイントは1日に+1000追加


持ち物 食糧袋(小)、日用品(小) 、日用品(中)←new

設備 井戸

ダンジョン 地下1階←new】


おお~?!何かレベルが上がってるし、いつの間にい?!諸々の上限も上がったし、良いことだよね?うん!もしかして、ダンジョンを作成したから?とか?


何か気分も上がって来たソラは、思いきってポイントを 使う事にする。やっぱり、孤独は耐えられないし私だと火も起こせない。


300pで雌ゴブリンを入手、100pで日用品(小)を入手した。一瞬の目映い光と共に、現れる5歳児程の背丈の醜悪な雌ゴブリン。

でも、私以外の生き物が居るって感動!


「よ、よろしくね?」

「…………グルル」


えええ?!めっちゃ唸ってる?!

此方に今にも掴み掛かりそうな雌ゴブリンに後退りしつつ、何とか声を振り絞る。


「あの、私がダンジョンマスターだから…。」

「ガウ!!ギイイイイイ!」


めっちゃ威嚇してくるう…どうしよう?殺される?!雄ゴブリンより雌の方が大人しいかと思ったのに。何か良い方法は…。

その瞬間、ステータス欄にあった(隷属)を思い出す。もしや、あれって、そういう意味?ええい、とにかく試してみよう!


『っスキル隷属!』


その言葉を発した途端、体の力がみなぎってガクンと抜ける。なんと言うか、魔力?を持っていかれたらしい。


「ガウ?ギイ。」


隷属は上手く行えたようで、雌ゴブリンは静かに此方を見上げている。

よ、よーし。


「貴女は、今日からゴブリンちゃんね。私はダンジョンマスターのソラ、よろしくね。」

「ガウアウ!」


元気に頷いてくれたゴブリンに、日用品(小)を分けて指示を出す。


まずは、火を起こしてダンジョン内を明るくする事。そう言うと、直ぐに作業に取りかかり、火起こし機で火を点けてくれた。

それを上手く日用品(中)に入っていた薪を使い、ダンジョン内の端に等間隔に付けていき、明るく照らす。


外は既に真っ暗だが、火のお陰で明るく地下は暖かい。日用品(中)からカーペットを取り出し座り、ゴブリンちゃんと焼き肉と焼き野菜を食べて、毛布にくるまり眠る。


屋根があるってさいっこー。

一人じゃないし、暖かい。地面は固いが、少しだけ眠る事が出来たのだ。





*********



二日目


ステータス

名前 ソラ

職業 ダンジョン マスター

レベル 2

体力 6/12

魔力 0/12

スキル (魅了) (隷属) (召喚) (移動)

ポイント 0/1100

持ち物 食糧袋(小)、日用品(小) 、日用品(中)

設備 井戸

ダンジョン 地下1階

特性 ??

生物 雌ゴブリン(1)






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

女子高生がダンジョンどころか世界を作っちゃうらしい setuka @zarein

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ