寸劇(後半、人間サイド)

グレイス

「では、降りますね」


(降下完了)


ブレイバ

「うん、似てるな。銀髪とか大きな胸とかが、姫様と、ね」


ブランシュ

「狐の耳と尻尾、騎士様によく似ておられますわね」


グレイス

「どうされました、お父様、お母様?」


ブレイバ

「いや……」


ブランシュ

「これからよろしくね。今から降りるわ」


ブレイバ

「姫様!?」


ブランシュ

「ここで殺されるような事があれば、あの子に辛く当たっていたということよ。騎士様」


ブレイバ

「……未来の僕らが、優しい両親である事を信じよう」


(ブレイバ、ブランシュ共に降下完了)


グレイス

「初めまして、お父様、お母様」


ブレイバ

「初めまして。えっと……僕たちの、娘さん」


ブランシュ

「初めまして。貴女の母親……ですわ」


グレイス

「お母様!」(抱きつく)


ブランシュ

「きゃっ!」


グレイス

「お婆様(ネーゼ)と共にわたくしを賢く育ててくださり、ありがとうございます!」


ブランシュ

「え、ええ……」


グレイス

「そして、お父様!」(抱きつく)


ブレイバ

「うわっ!」


グレイス

「お爺様(ハーゲン)と共にわたくしを強く鍛えてくださり、ありがとうございます!」


ブレイバ

「あ、ああ、うん……」


グレイス

「ところでお父様。お母様はまだ、わたくしをはらまれないのですか?」


ブレイバ

「は……はらっ!?」(顔真っ赤)


ブランシュ

「こら、何て言葉遣いを……」(顔真っ赤)


グレイス

「あらやだ、わたくしったらはしたない。ごめんあそばせ、お母様」


ブレイバ

(これは僕達以上にアレな子供だな……)


ブランシュ

(興味、強すぎですわよ……)


グレイス

「そんな事より、お父様の武勇譚とお母様の『毎夜の営み』をお聞かせください!」


ブレイバ

(ああ、けど娘として、僕達を尊敬してくれてはいるんだな。ちょっとアレだけど)


ブランシュ

(未来のわたくしったら、この子にどんな教育を施したのでしょうか……)


グレイス

「ねえ、お父様、お母様!」


ブレイバ

「待て待て、わかった。あれは僕が18の頃……」



 了

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