寸劇(前半)

ブレイバ

「お邪魔するよー」


ブランシュ

「お邪魔しますわ」


リナリア・シュヴァルツリッター

「お邪魔します」


ブレイバ

「さて、ここには誰もいないね」


ブランシュ

「見渡す限り、真っ白な空間ですわね。けれど寒いわけでもないですわ」


ブレイバ

「そういう訳だから……」


リナリア・シュヴァルツリッター

「ダメです。私のコクピットの中でお願いしますね」


ブレイバ

「ちぇっ、読まれちゃった」


ブランシュ

「誰もおりませんのに……」


リナリア・シュヴァルツリッター

「ダメと申し上げたらダメなのです。少しは節度を持っていただきたい」


ブレイバ

「堅物だなぁ……」


ブランシュ

「融通が利かないお方は、おじい様方(帝国議会の幹部クラスの面々)を想起させますわね」


リナリア・シュヴァルツリッター

「お二方の名誉が穢れるよりはましです……って、何ですかこの反応は!?」


ブレイバ

「ほら、お説教のおかげで邪魔された!」


ブランシュ

「霊力の気配……2時方向からです、騎士様! 転移、来ます!」


リナリア・シュヴァルツリッター(?)

「さて、わたし達も無事に着いたね」


謎の少女

「そうですわね。ん、誰かいらっしゃいますわよ? それに……」


リナリア・シュヴァルツリッター(?)

「あの機体(リナリア・シュヴァルツリッター)、ひょっとして……」


謎の少女

「近づいてみましょう」


ブレイバ

「止まれ! 近づけば撃つ!」


リナリア・シュヴァルツリッター

「お二方をお守りします!」


リナリア・シュヴァルツリッター(?)

「お父さん! やっぱり、お父さんだ!」


リナリア・シュヴァルツリッター

「!? いきなり何を言っているんだ!?」


謎の少女

「今の声……わたくしのお父様!?」


ブレイバ

「!? 誰だ君は!」


グレイス

「お父様、わたくしです! グレイス・アルマ・ウェーバーです!」


ブレイバ

「知らない名前だね! それに皇族の名義を詐称するなど……!」


グレイス

「この子の……リナリア・ゼスティアーゼの盾にあるエンブレムを、ご存じ無いのですか!?」


ブレイバ

「それは……僕のエンブレム!」


グレイス

「貴方から授かったものです、お父様!」


ブレイバ

「……ッ、けど……」


ブランシュ

「信じてみるか、試しましょう。騎士様」


ブレイバ

「どうやって? 姫様」


ブランシュ

「機体から降りてもらうの。わたくし達を親と呼ぶのであれば、容易いはずでしょう?」


ブレイバ

「そうだね。呼びかけてみるか」


グレイス

「お二方、今から降りますね」


ブレイバ・ブランシュ

「!?」


グレイス

「あら、何か?」


ブレイバ

「いや……」


※後半に続く。

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