新真実1
あの出来事から、夜が明け緑はより一層存在を強めて、風になびく。
嘘みたいに、また新しい1日が始まる。
違和感はこんなにもないのか。周りは何も思っていないだろう。
私の人生のなかで恐らく、一番怖くなる出来事。
もし死ぬときに痛みがあるのなら、そうとは言い切れないが......。
松山君が薄暗い地下室へ送られるのを見た私は、絶望を通り越して無の感情を体験した。あぁ、あの夢は正夢だったんだなって。
けど彼が本当に死んだ原因は夢の時に出てきた「心破裂」ではなかったはず。
彼は本当にしんだのか?
わざと......わざと自分にそうやって言い聞かせた。死んだことが本当だと知っても、あのベットは彼のものだった......としても。
当時はもっと感情的だったと思う。朝という心地良い時間に私はずうっと考え事をしては怒ったり泣いたり、情緒不安定。
しかも松山君がエレベーターへ乗った後からほぼ記憶がない。
だから何故、私がベットで眠っていたのかもわからなかった。
夢だとは思わなかった、生々しすぎて目に焼き付いてしまい取れなくなってしまうほど、すさまじいものだった。
また窓を開いた。
そこにはいつも通りの朝で陽が射す。まるでどうでもいいのかと思えるその緑たちに少し反感をかったりもした。
今度は熱も下がったことから、どしどしどしと急いで小雪ちゃんのもとへ。
ドアを開くと、小雪ちゃんはいつもの笑顔を......見せるはずもなく顔が死んでいた。
汗もかいていて、まるで自分が殺したかのような焦り具合で。いや「殺した」はさすがにダメか......。彼女も彼が死んでほしくはなかっただろう。
彼女は初め、私が来たことも気づいていなかった。
やっとの思いで気づき私の方向を見るとすぐに、彼女から告げられた言葉はこうだった。
「松山君、自殺したらしいよ」
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