新しい友達
男の子に喋りかけられた、私。
昨日も書いたが、男の子はそれほど重い病ではなく、もうすぐ退院といったところだ。
なぜ、ここに居るの。と聞かれたからこっちも言葉を返す。
「末期がんだって...。 まだよく分からないけどね。」
未だに理解できない。いつそんなものが出てきたのか。なぜ私にガンが襲いかかってきたのか。
向こうも言葉を返す。
「...そうなんだね。 俺は、部活でケガをしたから少し入院しているけど...。」
どうやら、彼は部活動で勢いよく相手と正面衝突してしまったらしい。
その相手は、なんとか打撲程度で済んだのだが、この男の子は打ちどころが悪く骨折してしまったんだそう...。
足を折ってしまい、体に少し痣ができるくらいだって。
普通の人から見ると、結構大きいケガだが、私の末期がんを聞いた男の子は察したんだろう。
もっと大きい病を患ってる人がいるのを知って。
「学校楽しい?」
と私が聞いた。少しでも学校の話を教えて欲しかった。
「うん。楽しいよ。時々嫌なこともあるけど、明らかに楽しいことの方が多い。 それと高校生になってから、活動範囲も増えたし、自由になったこともいっぱいあるしね。」
実に楽しそうに話してくれた。
私の中学校時代が懐かしく思える。
時には思ったりもする。
嫌なことがあるから、楽しいことを知れるのか。
全てが嬉しいことだったら、人生は面白くないのかな。とも考えたりする。
それが当たり前ならば、そのこと自体が嬉しいことと判断できなくなるのか...とも。
学校へ行きたい。という思いが日にちを追うごとに、強くなっていくばかりだった。
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