第9話 それから

 教室でのひやりとする会話の後、遥とはほどほどの距離感で接し、なるべくボロが出ないようにと意識する日々を過ごした。守りたい人とやらの話もうまいこと頭から抜け落ちて、何事もない日常を送っていた。


 たまに遥と一緒に帰ったり、たまに誘われて休日出掛けたり、それをクラスメイトや悪友に冷やかされたり。いわゆる普通の青春っぽい日々を送っていた。冷やかされるとそういう関係じゃないと半ば形式的に返していたけれど、自分自身も薄々、普通の友達関係というには深い付き合いだとも思い始めていた。


 そんなある日のことだった。小さい隕石が街に落ちた、というニュースが流れた。それは、平穏の終わりを告げる予兆だったのかもしれない。


 その後から遥はしばしば学校を休むようになり、度々流れ星が見えるようになった。秘密の一端しか知らない自分でも、これは只事ではないのだと感じた。ただ、それでも出来ることなどないので、自分は日常を送っていくだけだと思っていた。

 

 

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