第4話 そして今に繋がる
隣の席にやってきた
「ああ、久しぶり。またよろしくな」
そう返すのがやっとであった。
先ほどの話に戻るが、謝ろうと思っていた次の日に、遥はいなかったのだ。唐突に親の都合だったかで転校してしまい、結局あの日のあの事はよくわからないまま、僕の中で宙ぶらりんになったまま、頭の中の押し入れに放り込まれていたのだ。今の今まで。
はっきり言って忘れていた。そして思い出してしまったが為にどう接していいのかわからない。そんな僕の事をお見通しだと言わんばかりに、遥はニコニコとこちらを見ている。
結局、昼休みまでは特に話すこともなく、ある意味平和な時間が過ぎた。そう、問題はここからだった。
「ねえ、直ちゃん」
「ん?何?」
「今日さ、一緒に帰らない?」
正直言うと、教室がざわつく程度に美人になっている遥と一緒に帰るなんて、他のクラスメイトやら、友達連中からのやっかみが恐ろしい。だが、あの時の事を思い出してしまっている以上、罪悪感があって断りづらい。やむを得ない。
「......いいよ」
「じゃあ放課後ね!忘れないでよ!」
しかし、今この約束を取り付けられたのは、ホームルームの教室内なのであった。つまりはどう転んでもやっかまれるのはもう避けられないのであった。
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