第7話

それから長い年月が経ち。


赤い絨毯が敷かれた広い廊下を執事が歩いて行く。装飾の施された大きな扉をノックして、ゆっくり開くと、部屋の中にいる女性に声を掛ける。


執事「お后様、そろそろ、お時間でございます。」


女性「ええ。」


豪華な鏡台の前に座り、じっと手元を見つめているその女性が手にしているのは、貝殻の形をしたペンダントだった。その中にある写真の女性を見つめ、彼女が言う。


女性「ありがとう、お母さん。」


そう言って立ち上がった時、お后と呼ばれた女性が鏡に映る。そこに映ったのは、マルチナそっくりに成長したシンデレラの姿だった。





「どうして、シンデレラは12時まで帰って来なければいけなかったの」


「どうして、12時なると魔法がとけてしまうの」


「どうして、ガラスの靴はシンデレラしか、はけなかったの」


「どうして、魔法がとけてもガラスの靴は消えなかったの」


「どうして、魔法使いはシンデレラの願いを叶えてくれたの」


「それはね…」


END



クリスタル・ヒール外伝


鍛冶屋の修行をサボり、剣術の腕ばかり磨いていたライルは、母の後を追い旅に出る。


出会い、再会、別れ、そして運命との戦い。


国は、なぜ、子ども狩りを行ったのか。


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クリスタル・ヒール 五四三弐一 @ishiminihito

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