第2話

この15年間、バームもマルチナも、ティーナの事を忘れた日は一度もありませんでした。


メオはすでに結婚していて家族がおり、ライルも鍛冶屋の修行に家を出ていた為、マルチナは一人で旅に出る事を決めました。


バームの最後の願いをどうしても叶えてあげたい。成長した娘、ティーナに一目会いたい。マルチナはバームのペンダントと成長したティーナに渡したい物が入った木箱を持ち、一人旅立ちました。


最初の目的は、旅芸人の一座を探し出し大婆様にティーナの居場所を教えてもらう事。


しかし、女性の一人旅は、そう簡単な物ではありませんでした。盗賊や野犬に襲われたり、何度も危険な目に遭遇しながらも、たくさんの人々と出会い、助けられながら、マルチナは、ようやく旅芸人の一座を探し出し、15年ぶりに大婆様との再会を果たす事が出来ました。


大婆様は、なかなかティーナの居場所を教えてはくれませんでしたが、マルチナは諦めること無く、何日も頼み込み、なんとかティーナの住む町を教えてもらう事が出来ました。マルチナは、一座と別れ、再び、ティーナの住む町を目指して旅立ちました。









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