初来店は夕暮れ時に



                

                

                


星屑スターダスト流星シューティングスター空に人光の煌めきが走り雲を割って巨大な流星群がモンスターめがけて降り注ぐ。

その高原の丘の上に悠然と立つ一人の姿があった。藍集花ラジアンシアのように青く儚く、淡蒼色ハイドライトのミディアムヘアー未来を渇望する澄んだ瞳はなんの迷いもなく天を仰ぐ。純白のワンピースが風になびき膝丈のローブがハタハタと揺れる。極大魔法をモンスターの群れに放つ選抜パーティーに選ばれたいと切に願う1人の少見て女が、いずれ偉大なメンバーと共に肩を並べる日を夢にみて前だけを見ていた。


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つい先日のこと、ギルドでパーティーへの入隊を弱小冒険者だからということで断られ続けてきてきたが

気持ちを持ち直してパてーティーに属さなくても、たとえ一人でも選抜パーティーに選ばれる為にできることはあるはずと一人でダンジョンに潜り、モンスターを初級段階の職業ジョブ初級ビギナー剣士ソルで借り命からがら階層いなりを上がっていき5階層でまだ初級レベル圏内のレベル25に達したところでッ子ジ中級職である魔道士アメイジストになって火焔球ファイア《疾風陣ウィンドを始めに覚えるはずがなぜか上級アメイジスト魔道士マ亻スターだけが習得を許される極大魔法が特殊スキルとして発現したのだ。誰もが憧れる究極の魔法が何故に自分に。などという疑問はひとまず

置いておいてこの魔法を駆使して活躍すれば一気に選抜パーティーへ選ばれる日もそう遠くないはずと思い、レスポラン郊外にてモンスターの群れに向けて放ったのだった。


結果、有頂天気分になり盛大に放った極大魔法は流星を地上へと降り注がせるものだった。大きな被害はでづ正門が多少破損してしまう程度の被害で済んだことは奇跡に近いと街の皆は安堵した。と同時に、一つ間違ったら街一つ滅ぼしかねなかったマシロの愚行に周囲の冒険者たちから奇異な目でみられてしまうことになってしまった。ギルドでは、彼女を見かけるや頭のネジが外れたヤバイ奴だと後ろ指を差され危険因子の烙印を押されてしまって更に孤独の渦へとマシロを追いやっていくのだった。


今度こそ本当に誰も寄り付かなくなってしまったマシロは1人夕暮れのレスポランの街並み外れた裏路地を途方に暮れて無気力で歩いていると夕日にてらされる黄昏時、夕日と涙目に霞む飲食店が軒並み連なる市街を一歩一歩踏みしめ突き進むと暖色に映える赤煉瓦あかれんがの作りの古びた一軒の喫茶店にたどり着く。

「もうダメ、力が抜けそうー」店内に入るまであと数歩を残してよろめき、その場に倒れこみそうになる。


「大丈夫かい、酷く疲れているみたいだけどよかったらたらうちのカフェにで休んでいかない。」そこにはカフェの表口に立って

こちらの反応を伺う、黒いパンツに白いシャツといったモノトーンファッションに身を包む、推定年齢17・8かと思われる好青年が居た。

「なんですか、新手のナンパか何かですか。それとも何かの勧誘?」

「そういうのは結構なので他を当たって貰えますか。」

「違うんだなにも怪しいものじゃないから!それよりも...」ナンパに間違われたことよりも何故、いきなり異界の土地に風景を変えて明らかに日本人ではないであろう蒼白で儚げな彼女を見て疑問に思った

「怪しい人はみんなそう言うんだけどな。騙されないんだから!」

「ご、誤解だって!ただ、何か深く思いつめたような深刻な顔をして歩いていたから心配で声を掛けただけで、だから中に入って一杯、コーヒーでも飲まないかと思ってさ。」

い「なんだ、やっぱりナンパじゃないですか」

「だから違うんだ!オレはこのカフェで働くバリスタで進藤といって分けあって一人で喫茶を切り盛りしているんだ。それで、口説きにではなくて店内から一人で焦燥しきった感じの君を見かけたからこうして心配で声を掛けにきたんだよ。」

「そうだったんですかアナタがナンパ師でもバリスタでもいいけど今、本当に疲れてるから一杯だけご馳走になろうかな。その、コーヒーっていうのを。」


店内に入ると今まで外で嗅いでいた外気の匂いとは一変して芳香で香り高い鼻腔を強く刺激される。

それでも何故か悪い感じはしないでむしろ良い匂いだった。

バリスタはカウンター席の奥に入るとかかってきた電話に対応してしまっていた。何か困った表情で何かを了承した口ぶりで電話をき切ってしまいすぐにコーヒーを淹れる為の作業に戻る。耳を澄ますとコリコリという何かを砕き潰すような音が聞こえてくる。ついさっきまでは慣れないハンドドリップで抽出に失敗続きだったから今度ばかりは失敗できないと抽出器具を変えようと考えを巡らす。「お嬢さん、コーヒーはカフェラテでいいかな。」「いいよなんでも。」初対面の年上相手に平気でため口とは流石は若さだなと思い。

はいよと返して喫茶店カウンター席に通いつめてなんども見てたエスプレッソマシンの使い方を見様見真似でカフェラテ用の丸いカップに少量のエスプレあッソの抽出していく。ラテアートはどうするかなと考えた結果散々手順を見てきたオーソドックスなあれにすることにした。

そうこうしていると目のあれるあ前から丸みを帯びたカップに並々注がれた茶色く泡立つ飲みものが置かれる。


「これは一体?」カップにのコーヒーの水面の上に白い曲線で湾曲に描かれた模様をみてどういうことかと心の内側がドキリと高鳴る。

「ああ、これがコーヒーだよ。カフェラテと言って少量のエスプレッソを牛乳ラッテ

割った飲み物なんだ!」

「いきなりだと分からないか、ごめんね。」

「いや、そんなことないです。ありがとう、ございます。」と恐縮してかしこまってしまう。

「えっどうしたのこれは、ラテアートといって牛乳ラッテでシングルハートを描いたのであって...」

「なんなんですかいきなり!」いきなりこんなことをされたら起こるに怒れなくて頭が真っ白になる。

「か、帰ります!

「待ってまだこれから洋菓子ドルチェがあるんだけど!」

「結構です!でもせっかくなのでこのコーヒーは頂きますが。」

「そうか、それはよかった。」

目の前で不機嫌そうにも大事に味わって美味しそうにカフェラテを飲む彼女を見て初対面の印象は激情的だなと思ったけど、コーヒーを飲む姿には好感ががもてた。と同時にこちらのなんて頼み事なんてきいてくれないよなと頭を悩ませる進藤だった。

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