第2話
キョウヤは息を吐いて首を横に振った。
「わかった。どうせ俺は千紗に口でも剣でも勝てないんだ。従うよ」
そう言いながら、キョウヤは浄化措置の準備を始める。右腰――剣の鞘の反対側――のポーチからいくつかの道具と、砂粒の入った容器を取り出して、獣に砂粒をかける。その動きを見ながら、チサは口を尖らせた。
「別にいいけど、その言い方なんかムカつく。不満があるならキッチリ言ってよ。聞くくらいはしてあげるわ」
キョウヤはしゃがみこんで、
「大したことじゃない。ただ、俺と千紗の二人で
録音データの再生準備を済ませて、キョウヤは左手の袖をまくる。その左腕は、妖怪と同じ文様が刻まれており、
「こうやって弱い妖怪を浄化をするよりは、強い妖怪の体を自分の体に
「……分かってるわよ、そんなこと。言われなくたって、痛いくらいにね」
返事しながら、チサはかすかに自分の左腕をさする。今日退治した
「……無駄話は終わり。帰って寝て、妖怪退治の報酬もらいましょ」
二人がきちんとした人間に戻るためには、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます