突如だった。空から謎の黒い雪がチカチカと光降ってくる。

その時私は剣道部をやっていて今は休憩の時間だった。

「おい！みんな外に出てみろよ！何か黒い雪みたいなのがチカチカと光ながら降って来てるぞ！！」

剣道をやっている一人の男性が声を上げて言ってきた。それを聞いた他の皆は外に出ようとして私の友達の子も行こうとするので止める。

「ちょっと、サヤちゃん！」

「どうしたの？ヒナガ」

私はサヤちゃんに何か嫌な予感がするので外にでない方がいいと伝えるけどサヤちゃんは気にする様子もなく私の手を引いて外に出ようとする。

「ちょっ！」

「気にしすぎだって、ほら行こ」

そして私はサヤちゃんに連れられ一緒に外を出て見るととんでもない光景が広がっていた。急に苦しむ者たち倒れる者たちが次々と起こり学校で授業を行ってる者や部活をやっていた者がパニックになる。

「ヒナガ·····これって何が起こっているの？」

「わからない、でも原因はあの黒い雪だと思う。だから早く急いで皆を中に入れなきゃ！」

私は無事な人たちに声を掛けて苦しむ人や倒れてる人を中に入れて貰うが剣道をしていた場所は満席、だから他の人たちは教室など空いてる所まで移動させる。

「サヤちゃん！私はまだ外にいる人を救出してくるよ、此処（ここ）は満席だから別の所に運ぶよ」

「ちょっとヒナガ！何を言っているの外はまだ黒い雪が降っているんでしょ？なら余り浴びすぎるとマイにも危険が及ぶかも知れないじゃない！」

私の事を心配してくれるサヤちゃんの事がとても嬉しく思う。でも私は苦しむ人たちを放って置く訳には行かない。

「ありがとう、でも私は今出来ることをやるよ。大丈夫！私こう見えてしぶといんだから！」

力こぶを作ってサヤちゃんを安心させる。それを見たサヤちゃんは笑って「そうね、あんたはバカだからそうそうくたばる筈もないか」それを聞いて「それどう言う意味！」と言ってほっぺを膨らませる。

「ほら、早く行きなさいよ助けるんでしょ」

「うん、じゃあまた後でね！」

これがサヤちゃんとの最後の言葉になるとはこの時は知る筈もなかった。

　　◈◈◈

「きゃあああああ！」

「うわあああああ！」

「こっちに来るな！！」

「誰か助けて！！」

今私の目の前で起こっている出来事は余りにも現実離れしていてこの光景は絶望その物だった。苦しんだりしている人や倒れていた者が目を覚ますといきなり唸り声を上げて襲い掛かって来たのだ。丁度看病していた人が襲われ首を噛まれると血を吹き出しそのまま倒れる。

それを見ていた人たちは最初は何が起きたのか分からず立ち尽くしたままだった。少しずつ状況が理解したのか一人が悲鳴を上げる。こうして再び学校はパニックに見舞われ逃げる人たち、襲いかかる人たちを対抗する人たちや噛まれた人が起き上がり唸り声を上げて襲い掛かる人たちなど学校は一時戦場と化してしまったのだ。

その時の事は私はよく覚えていないです。気づいたら手には金属バットを握りしめていて教室や玄関などは血だらけで生きていた人たちや襲いかかって来た人たちはいつの間にか居なくなっていて黒い雪も止み私だけが残っていました。

他の皆は？多分襲われてそのまま仲間になってしまったんだろう。そいつらはどこにいったの？どうして私は無事なの？分からないけど私も必死に対抗したんだろう剣道を習っていただけで無事な筈がない火事場の馬鹿力なのかそれだけで生きてるのも不思議だ。

「そうだ·····サヤちゃんは！」

私は教室から出て廊下を走る！あちこちに血がいっぱい飛び散っていて気分が悪くなるけど我慢する。私はサヤちゃんが居た場所まで行きドアを開ける。

「サヤちゃん！」

しかしそこはもぬけの殻だった。

「あはは·····サヤちゃんいるんでしょ？ねえてば······隠れてないで返事してよサヤちゃん！！」

何度も呼びかけた、けど結局誰一人すら私の声を聞く人などもう此処には居なかった。一人になった私は自分のクラスの教室に一旦行き着替えようと思いその時、教室のドアが開き先ほど貴方と目を合いそれを見た瞬間念のため護身用として金属バットを持て来ていた物を手に取り貴方に攻撃しました。何故かって？それは貴方が余りにも異常な格好をして居たからです。結局素早く避（さ）けたり金属バットを片手で受け止めて握り潰すなんてそれはもう驚きました。ああ、私も此処（ここ）で死ぬのかな·····噛まれて、それからゾンビみたいになってしまうのかと思って居たけど一向（いっこう）に襲いかかって来ないので不思議に思い見てみると教室から出ようとして早く着替えろと言われて驚く、喋った！と同時に着替え中だったのを気付き私は返事をして貴方が出た所を見て着替える。