第8話 側近の憂慮

 ずっと眉間にシワを作って、ギョロギョロと目を右に左に動かしている。


 特に何かあるわけでもないのに時折クンクンと鼻をしている。


 筋肉質でゴツゴツしており、ガニ股で猫背で腰を落としている。


 おそらく私もそうなのだろう。


 あの夜から何日たっただろうか。

 私の意志に関係なく、私はこいつらと合流し行動を共にしている。


 楽しんでやっているのか、別に給料をもらっているわけでもないが、上司がいるから仕事なのだろう。


 やることは主に 破壊 。


 ふと、みなが振り返った。

 私もつられて振り返ると、今の私の上司である青肌がいた。


 私は青肌に近寄り、

 「どうも、お疲れ様です」と言った。

 「この辺りはだいたい押さえましたので、先に進みたいと思います」


 「ああ」と青肌は言った。

 青肌は両腕を広げて、

 「進めええええええ」と叫ぶ。



 「おおおお」と私は叫んだ。

 他の皆も叫び、行進が始まる。


 歩きながら考える。

 「テクラは無事だろうか」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る