勇カズの与太話集

【海色タペストリア】

Attention――『海色タペストリア』

海辺の街のギルドに集まる人達の日常風景。

――「私のギルドにようこそ！歓迎するよ！」

〇あらすじ

『ようこそ、海街のギルド「ルリツグミ」へ！』

ここはポプラシオン世界にある海と共に暮らす街、人々が海街と呼ぶこの街の一角にギルド「ルリツグミ」はある。ギルドマスターのユーレア、ギルドの用心棒ナギア、魔女見習いのブルハ、トカゲ少年レザル、他にも個性的なメンバーが集うギルドには今日もたくさんの物語が溢れていた。

人が違えば物語も色を変える、それはまるでギルドの壁を彩る海色の物語絵(タペストリー)のように。

とある街のギルドの目線から見る「勇者カズトの冒険」スピンオフ、ここに開演。

〇世界観

舞台は王国から歩いて南にある海街。海際の他街との交流によって栄える港街であり、風と海と共に生きる活気ある街。ギルドや他の施設もある商業地区、海の見えるリゾート地区、人々の住む居住地区と分かれていて街の広さが伺える。貧富の差もあるようで、一部地域では貧困層や荒くれ者たちがたまりスラムと化している。

住民はおおらかだが、血気盛んな冒険者がよく訪れるので毎日いさかいやトラブルが絶えない。

〇主な人物

　ユーレア　Lv.62。36歳

海街のギルド「ルリツグミ」のギルドマスター。人望が厚く、気さくでおおらかな性格から誰からも頼れるリーダーとして愛されてる。元王宮騎士団の隊長だったため、その実力はギルド内でも群を抜いている。鎧が重くてやめたという自由人。お酒と恋バナが大好き。

　ナギア　Lv.57。35歳

「ルリツグミ」メンバーの一人でユーレアの右腕と称される大男。ユーレアに次いで二番目の実力者。基本的に物静かで口数は少ないが、人見知りしてるだけ。根は優しく面倒見もいいのでユーレアが勧誘してくる新メンバーの教育係になってる。昔はかなり荒れてた模様。

　ブルハ　Lv.28。16歳

憧れの魔女になることを目標にしている魔法使いの女の子。メンバー1の元気印。底抜けに明るいが、面倒くさい子には絡みにいきたい面倒くさい性格。厄介事には首を突っ込みたい。

自分では面倒見のいい性格だと思っていて、これでもお姉さん気質ではある。ユーレアは憧れの存在。

　レザル　Lv.25。14歳

ブルハに引っ張られてギルドに入ったトカゲ族の少年。物静かだが頭の回転は早く、物事をよく捉えて発言している。何事も客観視かつ人見知りをする一方で寂しがり屋な一面が強く、ブルハをはじめとした限られた人にしか懐かない。つまり根暗。甘党。空を飛ぶことに憧れがある。

　他にも様々なメンバーがいるよ！

〇用語説明

〖海街〗　王都からそう遠くない位置にある海に面した栄えある街。海からきた商人が集まってできたとされ、常に賑わいを見せている。反面、貧富の差が激しいため一部がスラムと化している。荒くれ者や浮浪者も多い。

〖ギルド〗　各町にある冒険者と住民をつなぐ窓口。ギルドに所属するにはその町に住んでいることが条件。街に一つまでとされているが、ギルドがない街では教団と王国の許可を得て設立することも可能。

〖ルリツグミ〗　ユーレアが海街に設立したギルドの名前。ギルド内に飾られたタペストリーの中央に描かれていることから名付けた。

〖海色のタペストリー〗　ユーレアがとある行商人から譲り受けたとても大きなタペストリー。ユーレアのお気に入りであり、ギルドの象徴となっている。

――海色のタペストリーにはいくつもの物語。さて今日はどのお話をしましょうか。