私はカクヨムに登録してすぐにスコッパーの目に留まった。
逆に言えばスコッパーという存在が無かったら、私は今ここで小説など書いていなかったのだ。
処女作をスコップして貰い、そのまま……確かランキング6位まで一気に浮上して何事が起こったのかと目を白黒させたのを覚えている。
だが、スコッパーの絶対数はとても少ない。
しかも『優秀なスコッパー』となると、ほんの一握りの人になってしまう。
この作者がスコップしてくる作品はどれも『当たり』だ、少なくとも私にはストライクのものが多い。私も二本スコップしていただいているので、恐らく作者さんと好みが近いのだろう。
カクヨムも大所帯になって来て、どれを読んだらいいのかわからない状態になって来た。そんな時、スコッパーを名乗る人たちの掘り起こしてきた作品を選ぶというのは、ハズレを引かずに真っ直ぐ当たり作品に向かう最短コースでもある。
「どれを読んだらいいのかわからない」という人は、まずは騙されたと思ってこの『スコップ!』に目を通すのをお勧めする。
きっと「騙されなかった」という感想を持つだろう。
わたしはこの作品に取り上げていただいた「当事者」です。
そのわたしがレビューさせていただくことを不適切に感じる方もおられるかもしれませんけれども、当事者だからこそのレビューがありうると証明するためにも書かせていただきました。
正直、わたしのパートを拝見して驚いたのは、わたしのエッセイの最重要の核心部分を恐ろしいぐらい的確に抜粋していることでした。
「わたしの心の奥底が分かるのだろうか?」
そんな慄きすら覚えましたけれども、文学的に分析すれば次の答えが導かれます。
「この『選集』の作者は、物事の本質を見抜く力がある」
ということは、わたしのエッセイのパート以外の紹介文もその小説の核心をズバリと言い当てているのだろうということが容易に想像できました。
事実、ひとつひとつのパートが紹介されている小説と切り離したとしても、紹介文だけで独立した魅力を放っています。
たとえは違うかもしれませんけれども、淀川長治さんの映画レビューのような愛情と冷静さとが見事に同居しているような、そんな文章だと感じました。
お勧めします。