『僕が自宅介護をした理由』

『僕が自宅介護をした理由』作・夷也荊さん

 https://kakuyomu.jp/works/16816700428200694940


 作者の作品紹介文


 ──わたしだけの実体験×みんなに教えたいこと

 これは、祖母と僕の壮絶な戦いの歴史――、ではない!


 これは自宅介護をコメディタッチで描く、

 介護エンタテイメント・エッセイだ!


 ◇


 わたしのレビュー


 ──僕が介護をする理由は……家族が大切だからだ。


 サクッと読める自宅介護日記。


 わたしは看護師だったので、もちろん認知症患者の看護もした。

 だからここに綴られていることの実態が全て分かる。

 ほんとそうだよねと苦笑いがもれる。

 そして、仕事ならまだしも自宅で家人の介護は……わたしの結論はもう出ている。

 あれは専門家の「仕事」だ。

 そして介護士の給与を今の倍にしてもいいと思っている。

 どうにかして早急に施設にお任せしたい。24時間専属など看護師でも無理!


 しかし作者はこれらの体験記をサラッとサクッと笑い話にしてしまうのだ。

 コメディだ。

 実態がまざまざと浮かぶ私が読んでもコメディだった。

 さすがだ。

 いや、笑ってでもいないと自分がブチ切れそうになるからってのも理解してる。


 昔を振り返って書くならコメディに出来るかもしれない。

 しかし、この話はどう見てもそのときどきに書いたものだろう。

 そこが凄い。


 笑いには知性が必要だ。余裕も必要だ。客観性が必要だ。

 わたしだったら、ホラーに出来る自信がある(おい)


 その時はいつか来る。あなただったらそれをコメディに出来る?

 さあ。すぐにページをめくって、予習しておきましょう!


 ◇


 面白かった。いや、内容は認知症高齢者の介護の実態だからね。

 でもここまでエンタメにシフトして書いてくれると、やっぱり面白かったと言ってしまう。

 作者様のなかにある芯の太さよ! 笑いに変えてしまう強さよ!

 ああ。アスコラクシリーズに見られる重厚さ、確かさはここから生まれているのか。

 人は言ったことではなく、行動で見よ。まさに、そう思った作品だった。


 元看護師っすけど、ひれ伏します……。


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