「ｆａｉｌｕｒｅ　ｎｏｔｉｃｅ」作・エディ・Ｋ・Ｃさん

　作者様作品紹介文

　──今宵だけのサンタクロース――待っているはずの、その家へ。

　止まることのないプロジェクト、終わりの見えない残業。

　デスマーチの続くＩＴの開発現場で、悲劇は起きた。

　犠牲者は同じプロジェクトメンバーの向井さん。

　僕は向井さんの遺したデータを整理する傍ら、宛先不明で戻ってきたメールに気付く。

　◇

　なるべく完結済み長編を紹介と思っていますが、今回は一話ものを。

　現代ドラマ。私がカクヨムで最初にレビューした作品です。

　以下が、そのレビュー。

　──クリスマスローズの花言葉は「慰め」

　あまりにも切ない物語だ。

　ＩＴ企業。膨大な仕事をこなす過労死寸前の会社員たち。

　目の前にいる同僚に、会話ではなくメールを送る不自然さ。

　期限の迫ったプロジェクト。感情すら出せない能面のようなスタッフたち。

　毎日が終電帰宅のデスマーチ。

　愛する者、守りたい者がいるからこそ、そんな中でも続けていられる筈なのに……。だが、そんな感情すらただの感傷だと嘲笑う現実。

　サンタさんはいるのでしょうか。

　瀕死の彼らに「慰め」を届けてくれるサンタクロースは。

　それがどこかに咲いていることを、願わずにはいられません。

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