行雲流水

布団の上でゴロゴロする僕。

いつになっても寝つけず、

時間だけが過ぎていくばかり。


「...空気でも吸いに行くか。」


決めたら、即行動!これ大事!

テストにも出るからね。

ちゃんと覚えておくんだよ!



襖を開けると

ヒヤリとした風が部屋に入ってくる。


大きく息を吸い込むと、

冷たい風が僕の肺を刺激する。

...なんだか、

肺をギュッとつかまれたみたいだ。


もう夜遅いからであろう。

人の気配はしない。

月明かりによって

辺りがぼうっと照らされる。

...僕の見慣れた光景ではない。


「ここは...」


改めて、今の状況を考えてみると、

少し寂しい気持ちになる。


いつも「非日常」を追い求めていた僕だが、

なんか、こう...

うまく言葉に表せないような感じだ。


誰もいない縁側で一人感傷に浸るなんて

考えてもみなかった。


「僕は...僕は、なんで...」


なんで、この時代にいるの?


なんで、僕だったの?


なんで、ここで息をしているの?


なんで、僕は生きているの?




「行雲流水」

…行く雲と流れる水のように、自然の成り行きにみをまかせて行動すること。

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