一寸の虫にも五分の魂

武士ってのは厳しい人だと思っていた。


同じ人間である相手を殺してしまうのだから。


たとえ、

自分の所領を守るため

または所領を広げるためだとしても、

"人殺し"なのはかわりない。


平和ボケしている現在の日本は

人を殺すという行為を

嫌悪しているところがあるが、

この時代の人はそれが普通のことだった。



それが、自分が生きるためだから。

そうしなくては、自分が殺されるから。



わかっていても、

平和ボケしている僕にとっては

"人殺し"は"人殺し"なのだ。



.....こんなに優しい湯浅さんも武士なのだ。

人に刃を向け、振りかざし、斬りつける。


僕なんて

声を出す前に殺されてしまうだろう。



もしも

湯浅さんが僕と同じ時代の人だったら...


逆に

僕がこの時代の人だったら...


僕らにはもっと違う人生が待ち受けていたかもしれない。




「一寸の虫にも五分の魂」

…一寸ほどの小さな虫にも五分ほどの魂があるということから、どんな人でも自分の考えや意地があるため、そのことを馬鹿にしてはいけないという教え。

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