果報は寝て待て
しばらくして
落ち着きを取り戻した僕は
名前や出身地、その他諸々を聞かれた。
だが、僕が答えられるのは少なかった。
僕自身今の状況を把握できていないため、
名前や年齢などわかる範囲は限られていた。
「あの、ここはあなたのお屋敷ですか?」
聞かれた質問に
しっかりとした答えを出せなかったが、
僕が質問することに嫌な顔せず答えてくれた。
「いいえ、まさか...ここのお屋敷の主人は
大谷吉継様ですよ。」
オオタニ、ヨシツグ.....?
あれ、どこかで聞いたことが...
ー『お前には武士の血が流れている。』ー
ー『義に厚かった大谷吉継の血が。』ー
大谷吉継の、血...
僕の、僕のご先祖さま...
「あ、あなたの名は...」
「えっ?あぁ、名乗っていませんでしたね。
私は湯浅五助と申します。」
ユアサゴスケ。
湯浅、五助...
走馬灯のように
じいちゃんの話が蘇ってくる。
.....あぁ、確かじいちゃんが言っていた。
ー『もちろん、家臣にも義に厚い者がいた。』ー
ー『その者の名は...』ー
『「湯浅五助...」』
「果報は寝て待て」
…幸運はそのうち自然とやってくるということ。
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