命より名を惜しむ
「何百年も前のことだ。
この日の本は戦乱じゃった。
下剋上などという言葉ができ、
強い者が上に立ち、
弱い者は従うしかなかった時代だ。
その中で天下分け目の大合戦があった。
それが関ヶ原の戦いだ。。」
ゲコクジョウ。
テンカワケメ。
ダイガッセン。
セキガハラノタタカイ。
よくわからない言葉だらけ。
あぁ、また始まった。
僕は心の中で頭を抱えた。
僕のじいちゃんは物知りで、
ハクシキっていうものがあるらしい。
いつも面白い話をしてくれるじいちゃんは
僕にとって自慢のじいちゃんであるが、
時々、何かにとりつかれたように
昔のことを語り出す。
その時の話はいつも決まって、
セキガハラノタタカイ。
そして、その話には必ずオオタニっていう
僕のご先祖さまが出てくる。
面白い話であることはかわりないが、
僕には少し難しい。
じいちゃんは
僕がちゃんと理解していないことを知っていながら、
何度も何度も同じ話をする。
そして、必ず最後に言うんだ。
「お前には武士の血が流れている。
義に厚かった大谷吉継の血が。」
「命より名を惜しむ」
…自分の命より名誉の大切にすること。
またそのような考えから、恥をさらすよりも命を捨てた方がましだということ。
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