明けた日は暮れる

「日常」は嫌いだ。

「日常」なんてなくなればいい。

そう思っていた。

今日という一日が少しでもいいから

スリリングな日になることを僕は望んでいた。

そう、望んでいた。

でも現実は

そうそうスリリングなことなんて起きない。

どこかの国でテロが起きたやら、

どこどこの県で殺人事件が起きたとか。

僕にはそれらが点にしか見えない。


昔の先駆者たちは

「塵も積もれば山となる」なんて

よく言ったものだ。

点が一列に並べば確かに線にはなるだろう。

しかし、その点が散らばっていたのなら?

バラバラで不規則に並んでいたのなら?

それは決して点にはならない。

ただの「点」として終わってしまう。

なんの意味も持たないで、

誰にも目につけられることなく、

その一生を終える。

僕はその「点」の一人。

命の灯火を絶ってしまうと

僕の存在はいずれ消え去ることになる。

悲しいことなんてない。

悔しいと思うこともない。

だって全ては神の御心のままなのだから。

でも、せめて

僕が「点」としての生を全うするかわりに

少しくらい「非日常」を望んでもいいだろう。


なぁ、神さま。

僕は何のために生きているのですか。




「明けた日は暮れる」

…物事が永久に続くことはないのだということ。

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