人生朝露の如し
人生の中で一番輝かしい時。
それは高校生だと思っていた。
屋上で友達とお昼を食べる。
放課後にはカラオケに行く。
コンビニでアイスや肉まんを買い、
食べながら帰路につく。
彼女との放課後デートなんかもいいかもしれない。
人々はそれら全てを一括して
「青春」などと呼ぶのだろう。
アオハルという言葉もあった気がする。
子供という柵から外され、
大人という枠には入れない。
そんなどっちつかずの存在こそが高校生だ。
一人の人間として自分の行動には
責任を持たなくてはならないのに対して、
少し羽目を外しても、
「若気の至りだから」といって済まされる。
輝かしく思えるが、
本当は一番孤独で一番不安定な時期だろう。
しかし誰もが一度は憧れるのだ。
それを「青春」などと呼び、
羨望のまなざしを向ける対象である、
高校生活というものを。
僕だって本当のところは憧れていた。
漫画やドラマで描かれる高校生活は
僕ら子供たちにどれほどの影響を与えたかわからない。
ただ、高校生という存在がかっこよかった。
早く高校生になりたい。
早く大人になりたい。
そうすれば、僕らは身軽になれる。
僕らは何にも縛られることはない。
僕らは自由だ。
自由になれるのだ。
「人生朝露の如し」
…人生というものは朝露のようにはかないものである。
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