辞世の句に愛を込めて
闇咲紫祈
プロローグ…運否天賦
あの日、僕らは夢をみた。
果てしなく続く酷く澄んだ空に
それぞれの未来を思いめぐらしていた。
僕らはいつまでも、本当にいつまでも
この時が続くことを望んでいた。
そしてずっと願っていたのだ、
世の中の闇にのまれずにすむことを。
自分が知っている歴史的事実から
僕は目を背けていた。
いつかそうなろうとも、
その「いつか」は今ではない。
遠い未来の自分に
襲いくるものに違いなかったが、
それは「遠い未来」だから。
今の僕らが恐れるものではない。
「運否天賦」
…人の運命は天によって定められるもの。
そのため、運を天に任せようとすること。
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