第4話

「ほい、飲み物とおにぎりだ」

「ああ、悪いな」

 時刻は昼になっていた。魔法陣を消したのが早朝。それから6時間粘ったがなんの手がかりもなかった。あの不思議な匂いは欠片も感じられない。登校時間を過ぎてうろうろすると怪しまれるので一応安いハンチング帽をかぶった。田舎なので突然鉢合わせるということはそうそうないが、一応警察には注意した。補導は勘弁願いたい。そうして昼になり、飯にしようということになった。わざわざ笹川骨董店まで戻るのは面倒だったので、適当にコンビニで済ませることにした。

「魔族とやらでもおにぎりは食うんだな」

「人間の食物で食えないってものの方が少ねぇよ。大体のものは食える」

「そんなもんなのか。なんかもっとすごいもの食うとかかと思ったけどな」

「そいつは悪かったな。でも、現実はそんなもんだ。お、たらこじゃねぇか。これが一番好きなんだよ」

 そう言ってイオはおにぎりをほおばった。こうしてみれば全然人間にしか見えない。尻尾を見せられなかったら俺は今でもこいつが人間じゃないなんて信じられなかっただろう。俺も自分の分を開ける。梅干と鮭、実にスタンダードだ。

「それにしても午前中いっぱい使ってなんの手がかりもなしとはな」

 正直、半日も使えばなにかわずかでも手がかりが見つかる気がしていた。しかし、実際はなんの収穫もなしだ。この街も小さくはないといっても半日もあれば半分以上は回れるというのにこの結果だ。

「そうだな。改めて現界したから、ちょっと期待したんだけどな。前、私一人で回ったときはいくつかは見つかったんだ。まぁ、根城にたどり着くまでは行けなかったけどな」

「向こうも考えてるってことか」

「というより、全然動いてないのかもしれねぇな。多分現界したのは昨日の夜だ。そこから根城に篭ってなにかやってるのかもしれない」

「なにかってなんだ」

「まぁ、私を殺す算段だろう。なにか術式を組んでるってところだろうな」

 涼しい顔をして「私を殺す算段」とか言うのだからイオの根性はすごいと思う。俺だったら誰かが命を狙っていると分かったらどれだけ頑張ってもこんなに冷静でいられないだろう。一体どういう生き方をしたらこうなれるんだか分からなかった。

「仕方ない。向こうが動くのを待った方が良さそうだ。方針を切り替えて午後からは他の魔法陣を探すぞ」

「なら、街を出るってことか」

「そうだな。基本的に街の外にあるだろうからな」

「なら、自転車が必要だな」

「ん? ああ、そうか。そうだな。今までは夜だったから飛んでたけど、昼はさすがにまずいな」

「飛んでた? 空をか?」

「ああ、魔術でな。流石に白昼堂々そんなことをするわけにはいかねぇよ」

「だろうな」

 そうか、魔術には空を飛ぶものもあるのか。夢がある。だが、真昼間の空に女が空を飛んでいたら完全に新聞沙汰だ。諦めてもらって自転車を借りることにした。街のいたるところに設置されている観光客用の自転車だ。一回100円で半日借りられる。しかし、

「おい、これどうやって乗るんだ」

「どうって。お前自転車の乗り方分からないのか」

「乗ってる奴は何度も見てるけど、乗り方は分からん」

 仕方ないので二人乗りすることにした。イオには立ち乗りで肩に捕まって貰った。二人乗りはあんまりしたことがなかった。そして、女としたことなどあるはずもなかった。そしてイオはなんだかんだ言ってどちらかといえば美人だ。なかなかの緊張感を胸に秘め、恐る恐るペダルを漕いだ。

 街を抜けるとひたすら田んぼだ。稲は刈られ、枯れた根元と茶色い土があらわになっている。見渡す限り遮蔽物のない景色。右手には山脈が連なり、左手に行けば海がある。なにもない景色だ。the・田舎といった感じだ。

「いい景色だなー」

「そうだな。景色の良さが取り柄の街だからな」

 自転車を走らせるが闇雲に走っても意味はない。イオの指示に従い道を選ぶ。イオ曰く、水場の近くで遮蔽物のあるあたりだそうだ。水場は魔力の流れが集まりやすいらしい。遮蔽物は弱いといっても魔法陣は光るので人目を避けるためだそうだ。そういえば、俺が襲われた辺りには小さな作業場があり、トタン作りのフェンスが街側からの視界を遮っていた。

 それから、それらしいところをいくつか巡るがなかなか見つからなかった。

「やっぱり、うまいこと見つからないようにしてるのか」

「いや、連中私が来ることは想定外で好き放題に魔法陣を張ってたみたいだからな。新しいものはともかく、古いものは見つかるはずだ。場所が悪いのかもしれない。もっと海側に行ってみよう」

 俺は海側に進路を取る。坂になった堤防を上がると海が見えた。晴れ渡った空と青い海があった。昨日の荒天が嘘のような気分のいい気候だった。

「やっぱり何度見ても海はきれいだな」

「異界とやらには海はないのか」

「あるぜ。たまに見れる」

「たまにっていうのは良く分からんな」

「まあ、向こうは地形が滅茶苦茶だからな。昨日山だったところが海になってて、次の日には大きな塔が立ってるなんてザラだ」

「それは本当に滅茶苦茶だな」

 どうも異界というのは俺の思っている以上に常識はずれなところのようだった。やっぱり怪物たちが住むところはそれに見合った異常なところなんだろう。『ストレンジ・グラウンド』という呼び名はまさしくその通りらしい。

 ところで、その、二人乗りというのは実に疲れるものだった。俺は息がだんだん切れてきた。卓球部で鍛えた体力も形無しだ。俺のペダルを踏む足は実に力ないものになりつつあった。

「ぬうううぅう、おおおお・・・・」

「なんだ、疲れてきたのか。魔族が混じっても体力は人間並みみたいだな。まぁ、いい。休憩にしようぜ」

 俺たちは農作業用の物置の脇で自転車を降り、腰を下ろした。いざ、休むと体に疲労感を感じられた。朝から歩きっぱなしだし、そこからの二人乗りだからやはり疲れているようだ。やっぱり感覚的には人間となにも変わりはなかった。今までどおりだ。昨日感じた違和感も今は綺麗に消えている。

「やっぱり俺が半分人間じゃないなんて信じられないな。見た目も感覚も前のままだ」

「そりゃあな。私がそういう風に形を保ってるからな。でも、そうか。現実は知っておいたほうが今後の為かもな」

 そう言ってイオは辺りを見回す。

「うん、ここなら誰もいねぇみてぇだし。ちょっとお前の現状ってやつを見せてやろうと思う。かなりえぐいぞ。自分が人間じゃないってはっきり分かっちまうからな。止めときたいなら言え」

「いや、見せてくれ。実感がないまま協力するのは釈然としない」

「OK。ならいくぞ」

 イオはパチンと指を鳴らした。すると俺の体の中で何かが弾けた感じがした。それと同時に感覚が変わった。何かがぬるりと腰から伸びる。

「ん?」

 後ろを見ると俺の腰から触手が三本生えていた。三本とも先には牙を並べた口が生えていた。

「うぎゃああああ。なんじゃこりゃあ!」

 俺の絶叫が広大な田園地帯に広がる。

「これがお前の姿だ」

 そう言ってイオが指を振ると宙に鏡が現れる。そこに映っていたのは肌の質感こそ人間だが、瞳は爬虫類のように鋭くなり、口には牙が並び、腰からは緑色の触手が生えた完全に人間ではない化物だった。

「マジかこれぇ!」

「大マジだ。これ以上見ると失神でもしそうだから戻してやる」

 イオはそう言ってもう一度指を鳴らす。するとみるみる鏡に映った姿は見慣れた人間の俺に戻った。

「どうだ。現状が理解できたか。私がお前を保たなかったらすぐにこの姿になる」

「いや、一刻も早くアザムヤゼムを見つけよう」

 あまりにショックがでかかった。人間でない人間でないと言葉で言われるのと、実際に見るのとではあまりに違いすぎた。なにせ現実として目の前に現れるのだ。事態がはっきりと飲み込めた。これはやばい。一秒でも早く元に戻りたい。

「そういうことだ。一応魔法陣探しも作った日にちで連中の行動パターンが分かるから無駄じゃない。とっとと見つけるぞ」

「おう、そうなったら俄然やる気が出てきた」

 俺は再び自転車に乗る。その後ろにイオも乗る。全然疲労は取れず、むしろ精神的に多大な負荷が掛かったがエネルギーがみなぎっていた。

 俺たちは再び海を目指す。海まではまだまだあった。体は重かったがそれでも漕ぐ。

「お、あそこなんかなにかありそうだな」

「ああ、確かに」

 イオが指さしたのは小さな変電所だった。確かに色々と物陰だらけでこっそりと作業をするにはうってつけだった。俺は自転車を走らせる。入口らしきところの前まで来た。

「うーん」

 俺は唸る。当然のように入口には立ち入り禁止の看板があった。

「ここに入ると不法侵入になるんだよな・・・・」

 そう言っている俺を尻目にイオはとっとと扉の前に行き指を振る。ガチャリと鍵が開き扉が動いた。

「さっさと行くぞ」

「あー・・・・」

 仕方なく入った。こんな田んぼの真ん中なのだから人目もない。もし見つかってもまだ、高校生だから多目に見てもらえるだろう、と勝手に希望的観測をした。

「ああ、やっぱり気配がある」

 イオは目を細めて辺りを見回した。どうやら魔法陣がどこかにあるらしい。見事にビンゴだ。本当にこんな辺鄙なところで黒い企みが繰り広げられているらしい。俺にもなんとなくあの無機質な酸っぱい匂いが感じられた。

「さて。お前も手伝ってくれよ」

「分かった」

 イオはあたりに目を凝らしながら歩き、俺は一生懸命鼻を動かしながら探した。なんか犬になったみたいだ。変な感じだった。そうすると、何となく匂いの強い弱いが感じられた。そして、その強さは変電所の一角。作業道具などを入れる倉庫から感じられた。

「あそこから匂いがするぞ」

「ん? ホントかよ。お前の鼻の感度は相当だな。私も大概感覚を磨いてるけど、この距離からだとあっちの方向にあるくらいしか分からないのに」

「そうなのか。なんか照れるな」

 褒められたので何となく小っ恥ずかしかった。俺たちは作業小屋の前まで行きドアを開く。鍵は開いていた。普通閉められているはずなのにだ。

「多分、私が入口で使ったのと同じ様な鍵開けの魔術だろう」

 そう言ってイオは中を覗く。

「当たりだな」

 俺も覗くが何も見えはしない。代わりにさっきまで感じていた匂いがとても強かった。別に臭くはないのが不思議だ。だが、俺の鼻は臭いの元が間違いなくここにあると言っていた。

「やっぱり昼は動いてないんだな」

「ああ。とっとと消そう。こういう施設の中にあるのは面倒だからな」

 こんな施設でさっきみたいに一々細工をしなくてはならないのは確かに面倒だろう。俺も不法侵入はさっさと終わらせたいし、イオにも遠慮してもらいたかった。というわけで、朝と同じように作業に入る。イオがチョークを取り出した。

「お前は一応表を見ててくれ。あいつが来るかもしれないし、最悪人が来るかもしれない」

「なるほど」

 イオはアザムヤゼムより人のほうが質が悪いと感じているらしかった。アザムヤゼムを問題と見ていないのだろう。よほど魔術の腕に自身があるということか。

 俺は言われたとおり扉を出て外に立つ。と、

「ん」

 俺たちが入った入口のあたりに何かが群れていた。まるで犬のようにせわしない。が、明らかに犬ではなかった。動くそれらはまさしく怪物だった。4足歩行だが目が何個もあり、口には信じられないほど鋭い牙が並んでいる。それらは、不気味な唸り声を上げながら、俺たちを睨んでいた。数にして9体。

「おい、やばいぞ! なにか居る!」

「何?」

 俺が叫んだと同時に怪物たちは一斉に俺たちに向かって走ってきた。恐ろしく早かった。犬のようだと言ったが、そんなもの比較にならなかった。弾丸のようだった。一瞬で俺の目の前にすっ飛んできた。それを目で追えたのも、多分半分魔族だからなのだろう。しかし、見えたからといって何が出来るわけでもなかった。

「ぼさっとするな」

 途端、業火が俺の目の前に巻き起こる。俺に飛びかかってきた一体は直撃を受け、他は炎を避けるために散った。

「助かった」

「あとでなんかおごってもらうぞ」

 イオの魔術のおかげで俺はなんとか一命を取り留めた。

「あー、アザムヤゼムの人造魔獣だな」

 焼かれた一体がは黒焦げになって地面に落ちていたが、突然ビクンと体を震わすとメリメリと音を立てて体を変化させ始めた。

「お、おい。なんか変だぞ」

 怪物は肉体が膨れ上がり、形が変わった。なにか、表面がやけにベトベトしている。そうして変化した化物は再び立ちあ上がり、不気味な声で吠えた。

「不死身なのか」

「ちっ、さすがに死なないってことはないだろうがな。どうやら、一度受けた攻撃に耐性を持つみてぇだ」

「じゃあ、もう炎は効かないのか」

「ああ、面倒なことにそうなるな」

 と、変化した一体、その周りにいる残りの8体の体もメリメリと音を立てて変化を始めた。体が膨れ上がり、表面が粘液で覆われる。やがて、それらも最初の一体と同じような姿になった。つまり、こいつらも炎が効かないのだろう。全員がどこか見えない繋がりがあるというのか。

「おいおい、全部変わったぞ。これじゃあ誰を攻撃しても連鎖反応じゃないか」

「そうだな。でもこいつは好都合だぜ」

「何が好都合なんだよ。攻撃すればするほど状況が悪くなるってことだろ」

「どうかな。耐性を付けるってことは付けないと死ぬってことだ。なら、それを上回る威力で攻撃するか―――」

 バクン、という形容しがたい音が鳴った。それはイオからだ。いや、イオの周りに現れた魔法陣からだった。

「弱点を作ってやるかだ」

 イオの周りに現れた魔法陣は青色だった。それはあのアザムヤゼムが使った魔法陣の色と同じ色だ。魔法陣はおおよそ5メートル四方くらいだろうか。怪物たちは警戒してその範囲から外れていた。

「何をするんだこれは」

「魔族はそれぞれ固有の能力を持ってる。それは『カラー』って呼ばれてる。私の『カラー』を見せてやるよ」

 外から様子を伺っていた怪物の一体が吠えながら襲いかかってきた。今度の狙いはイオだ。怪物が魔法陣に入るとイオは言った。

「お前の『耐性』を反転する」

 すると魔法陣が一瞬明滅した。しかし、だからといって何が起きたわけでもない。怪物は構わず突進している。それに向けてイオはさっと指を振った。巻き起こる業火。しかし、怪物は炎に対して耐性を付けている。それは意味がないはずだった。しかし、

「!!」

 怪物が叫び声を上げて転げる。焦げるどころではない。怪物はすさまじい勢いで、溶け、蒸発して消滅した。

 その様子を見て他の怪物はぎゃんぎゃんと吠えたけった。仲間の死を悼んでいるというよりはただただ威嚇しているようだ。しかし、今のはなんなのか。あの怪物達は炎に対して耐性を手にしたはずだ。にもかかわらずイオの魔術は効果を発揮した。いや、し過ぎだった。あれではまるで炎が弱点になったかのようだった。

 と、怪物たちが、すさまじい勢いで体を変化させ始めた。メキメキメリメリ。ほとんど軋むような快音を立て体の形を変えていく。

「今の攻撃で炎に対してさらに耐性をつけたみたいだな」

「なんなんだ。今のはなんだったんだ。これが『カラー』ってやつなのか」

「そうさ。これが私の『カラー』。私の能力は反転。この魔法陣の中で能力の対象にした相手の何らかの性質を真逆のものに反転させる。今はあの犬の炎に対する強い耐性を反転させて、炎に弱くしたんだ」

「な。それじゃあ、あいつらの能力をを逆手に取れるってことか」

「そういうことだ」

 怪物たちは変化を終えた。姿は完全に前の形を失っている。体は巨大に膨れ上がり大量の泡で覆われ、絶えずよくわからないガスを吹き出していた。

「だから、こいつらが耐性を付ければ付けるほどこっちにとっては好都合なのさ」

 そいつらは一斉にイオに飛びかかってきた。

「お前らの『耐性』を反転する」

 そう言いながらイオは指をぐるりと振った。イオを中心にして業火が巻き起こる。怪物たちはそれに巻き込まれる。悲鳴が聞こえ、そして、一瞬の間もなく跡形もなく消し飛んだ。怪物たちは一掃された。

「すげぇ」

「さて、邪魔者も消えた。これで心置きなく作業できる」

「今のがあいつの手下だっていうなら、あいつはやっぱりもうこっちの世界に来てるのか」

「みたいだな。でもまぁ、この程度の魔獣なら問題ねぇよ」

 そう言ってイオはまた倉庫に入っていく。

「今の能力があれば大抵のやつは倒せるってことか」

「ああ、私の能力は応用の幅が売りでな。対象にできる概念は限りがない。お前の筋力だって変えれるし、声の高さだって変えれる。とにかく強弱や表裏のあるものはなんでも反転できる」

「すげえな。考え方次第でなんでもできるな」

「ああ、まぁ、考え方次第ってのが問題だけどな。私はあんまりおつむの出来が良くねぇからなー」

 そう言いながらイオは訳の分からない図形や文様をチョークで床に書き込んでいく。頭が悪いと出来そうにない作業に見えるが。

「ともかく、とっとと作業を終えるぞ」

 そう言ってイオが図形を書き込んでいく内に俺はもう一度外を見る。しかし、そこには人影があった。それは男だった。全身黒づくめの男だった。その顔には表情はなかった。まるで死人のような顔だった。男はただじっとイオを見ていた。

「なるほど、あれは確かに随分なものだ」

 男がそう言ったのを、俺の強化された聴覚が確かに捉えた。男はそれからすっと変電所を囲む作の向こうへと姿を消した。

「どうした」

 イオが怪訝そうに倉庫から顔を出した。

「いや、なんか怪しい男がこっちを見てた」

「なんだそりゃ。いや、まさかアザムヤゼムの仲間か。クソっ」

 イオは駆け足で変電所の外まで行く。俺もその後を追った。しかし、そこにはもう男の姿はなかった。

「ちっ、逃がしたか。どんなやつだった」

「すごい陰気な全身黒づくめの男だったな」

「そうか。とうとう向こうから接触してきたか。アザムヤゼムのこともある。気を引き締めてかかるぞ」

 そう言ってイオは倉庫の中に戻っていく。アザムヤゼムはどうやら直接戦うよりも手下を送ることにしたようだ。後ろに引っ込んでいる協力者の男もこっちの偵察に来たのだろう。向こうも本格的にこっちと事を構えるつもりということなのだろうか。いかに昼間が危険が少なく、イオが強いといっても完全に安全が保証されているわけではない。俺も足でまといにならないようにしなくてはならないと思った。

 その魔法陣を解除し、残りの時間でさらに二つの魔法陣を解除し俺たちは笹川骨董店に戻った。

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