夫婦の会話は中身が無い方がよい。なぜなら、毎日中身のある話ばかりをするのでは、肩が凝るからだ。ふらふらとあっちこっちへ物語は蛇行し、しかし行き過ぎると引き戻される。そんな実のない話のできる夫婦が、妖怪のはずがない。よね?
聖書おばさんや七人みさき。女子のグループに美しすぎる少女。日常のようでどこか異様。個人的にはギスギスした女子グループの会話が生々しくてよかった……。
自分達を『七人みさき』と名乗る謎の怪異。ですがこのお話で注目すべきはそれだけではありません。謎の宗教勧誘員『聖書おばさん』。禁忌の美少女『美冬』。怪異に負けないくらいの存在感をもつ人物が次々と登場し、それらが織り成す物語の先には何があるのか?何て語っていますが、この物語の結末は前日談ともいえる二つの作品を読んだ事のある方なら予想はむずかしくないと思います。逆にそれを知らない方だと、絶対に想像できないのれはないかと思います。何故かって?それはもちろん、実際に読んで確かめてください。
『七人みさき』をご存知でしょうか?常に七人で行動する、亡霊の集団。もし何かあって欠員が出た場合は、新たなメンバーを加え、その数は七人のままという、そんな怪異。こんな説明をしましたけど、ホラーが苦手な人でもきっと楽しめる作品です。だってこの話は……おっと、ネタバレになってしまうので、多くは語れません。ユーモアが溢れていて、ほっこりしてしまったとだけ伝えておきます。