第2話 初めてのギルド

 ——ユキ視点——


 私はリュウが寝た後秘密の地下室へ行き、家計の財政状況を整理していました。商売人の娘として、こういう事には抜け目の無い性格に成長してしまったようです。


「今日リュウに渡されたお給料と、貯めておいた貯金を合わせて……棒銀貨が二百三十二枚と、丸銅貨が八枚、角銅貨が三枚……。

 仕事をしなくてもギリギリ一年間くらいは暮らせそうね」


 私達のように役の付いていない一般人の平均的な年収は、棒銀貨二百五十枚くらいです。

 だから、切り詰めて生活すれば、今の手持ちでも一年くらいはなんとか生活できます。

 お金の価値は角銅貨が一番低いお金で、一枚で大体一食分の緑菜が買えます。

 そして、角銅貨十枚で丸銅貨一枚、丸銅貨十枚で棒銀貨一枚、棒銀貨十枚で角銀貨一枚、角銀貨十枚で丸銀貨一枚です。


 それ以上の貨幣もありますが、一般的に流通しているのは棒銀貨以下が主な貨幣です。

 丸銀貨は見かけたことすらありません。

 たまに角銀貨は見ますが、年に数回あるかないかです。

 落としたり無くしたりしたら大変なので、角銀貨以上はみんな持ちたくないのです。


 私は生活費を抜いた余りを金庫に仕舞い、宝珠を覗いてから書斎に戻ります。

 お金を保管しておく場所として、秘密の地下室はとても便利なところでした。

 地下室で事務仕事をしていると、ついつい夢中になってしまいます。私もそろそろ寝ないと明日起きられるか心配になってきました。

 集中力が切れ良い具合に眠気を感じた私は、そのまま二階の自室に入るとすぐ眠りにつきました。


 ——リュウ視点——



 僕はまだ薄暗い夜明け前に目を覚ました。顔を洗って、まだ寝ているユキのために朝食を用意する。

 朝食といってもそんなに大したものは作れない。緑菜のサラダと、昨日の鍋に雑穀を追加しておじやを作る。

 僕は一人分の朝食を済ませ、寝ているユキを起こさないよう静かに家を出ることにした。

 薄暗かった空は一変して明るい日の光が射している。


「にゃー」


 最近ここら辺でよく見る可愛らしい猫に挨拶された。オッドアイの目がよく似合っている。灰色とも、青とも言いがたい単色の毛並みは、短毛ながらも艶やかで美しくもあった。

 僕はそんなネコの事を「タマ」と勝手に呼んで愛でている。


「タマ、おはよう。行ってくるね」

「にゃー」


 タマは賢いので、挨拶をすると返事を返してくれる。でも、何故か撫でさせてはくれない。特段警戒心が強いわけではないのだけど、僕が手を出すと、ぷいっと逃げてしまう。

 嫌われても嫌なので無理して触ろうなんてことはしなしない。いつの日か心を開いてくれると信じてその日を待っている。


「リュウにぃ! おはよう!」

「あ、レノンちゃん、おはよう」


 タマを愛でていたらお隣のスラテマーさんの娘さん、レノンちゃんに挨拶された。


「こんな朝早くに何してるの?」


 玄関から出てきたレノンちゃんは身の丈に合わないホウキを持っていた。


「んー? レノンはいつも早起きしてお家の前をお掃除してるんだよ。リュウにぃがいつも寝坊助なだけだよ!」

「あら、そうだったのか。偉い、偉い」

「えへへ、レノンえらい?」


 偉いと言われてニコニコと笑顔になるレノンちゃん。こんな小さな子が朝早くからお手伝いをしているんだから間違いなく偉いだろう。

 僕は確信を持ってレノンちゃんの言葉を肯定した。


「うん。偉いよ。レノンちゃんも、お手伝いが出来る様になったんだね」

「うん! ふっふっふ、レノンはもう大人なの!」


 レノンちゃんは鼻を鳴らし、腰に手を当て胸を張る。その姿はとっても誇らしげで、とっても可愛い。

 僕はレノンちゃんが産まれた時から知っている。だから、レノンちゃんが成長した姿を見ると、とても嬉しくなる。


「そうか! レノンちゃんはもう大人か」

「うん。そうなの。リュウにぃはこんな朝早くからどこ行くの? またいつものお仕事?」

「いや、いつものお仕事は無くなっちゃったんだ。だから、新しいお仕事を探しに行くんだよ」


 僕は子供相手だからといって適当な嘘はつかない。それに、嘘が下手くそだとユキに言われたこともある。

 さらに、レノンちゃんにも看破された実績があるのでバレたらカッコ悪い。

 ユキが言うには嘘をつく時の癖があるようなのだが、それをいくら聞いてもユキは教えてくれなかった。


「ふーん。そうなんだ。世知辛い世の中だけど頑張ってね!」


 まだ幼い子供なのになんて難しい意味合いの言葉を知っているんだ。

 時々こういった難しい言葉をレノンちゃんは何処からか覚えて来る。覚えた言葉を早く何処かで使いたいのだろうが、大体意味合いを理解しないで適当に使っている事が多い。

 しかし、今回はちゃんと理解しているのか、使い所はバッチリだった。


「あはは……よくそんな言葉を知ってるね」

「パパが良く言ってるの。レノンは大人だから何でも知ってるんだよ!」


 スラテマーさん……いけない事を聞いてしまったようだ。このことは内緒にしておきます。


「そうだったね! レノンちゃんはもう大人だ。じゃあ、そろそろ行くね。お手伝い頑張って!」

「うん! リュウにぃ行ってらっしゃい!」

「行ってきます!」


 今日は朝から元気を貰ったようだ。

 一人寂しく向かうはずだった初めてのギルド。それが、タマとレノンちゃんに元気を貰ったおかげで、騒ついていた気持ちは穏やかになった。そして、無性に根拠の無いやる気が湧いてきてしまう。今なら何でもできそうな気がする。


 まずは、ギルドがどんな所なのかを知らなきゃいけない。リドルさんの話では受付があるようなので、まずはそこに行けばなんとかなるだろう。

 僕は不安な気持ちを抑えるため、まだ見ぬギルドに到着した時のイメトレを反すうしていた。

 しかし、大抵こういった不安は杞憂に終わることが多い。

 むしろ、オドオドしていると熟練の冒険者達に舐められてしまうかもしれない。

 ギルドに近づくにつれて、落ち着いていたはずの心は再び騒つき始める。


 そして、とうとうギルドに着いてしまった。

 僕は覚悟を決め、大きく深呼吸をして建物へ入る。

 中には数名の冒険者が受付で話をしている最中だった。

 その中に一際目立つ冒険者の姿があった。僕は密かに聞き耳を立て、次に自分が受付のお姉さんと話す時の参考にすることにした。


「なぁ、頼むよー、もっと割のいいデカイ仕事回してくれよー」

「ダメです! せめて中級冒険者になってからじゃないと討伐には参加できません」

「そこをなんとか!」

「ダメです。それに、そもそも中級冒険者になるための基礎能力が足りません。討伐任務なんか受けたら、即、死ぬことになりますよ」

「あー、もー、俺は城外警備は飽き飽きしてんだよー、頼むよー」

「では、森に自生している薬草の採取などはいかがでしょうか?」

「草なんか見分けつかねぇよ!」

「では仕方ありませんね、今日も城外警備のお勤めよろしくお願いします」

「あぁ、畜生……。わかったよ。また今日もクルクル回るお仕事をしてくるよ……」

「はい、お気をつけて」

「はぁ……」


 男は気を落としてトボトボと出口へ向かった。城外警備とは城周辺を巡回している人のことだろう。

 僕はユキからそういう人達のことを良く聞いていた。彼らはお昼休憩を取りに来店してくれるのだそうだ。

 だから、ちょっと話を聞きたくなって声をかけてしまった。


「あの!」

「あぁ? なんだオメェ。見ねぇ顔だな。なんか用か?」


 男はすこぶる機嫌が悪かった。まあ、あんなことがあったばかりなのだから当たり前か。


「えーっと、あの、城外警備ってお城周辺の巡回ってことですよね!」

「あぁ……そーだよ! お前新入りか?」


 男は不機嫌そうに僕を見下している。

 しかし、僕の不躾な質問にちゃんと答えてくれた。感情はダダ漏れなのだが、子供だからと言って足蹴にするようなことはしないようだ。「新入りか?」なんて僕のことを気にかけてくれてもいる。

 機嫌が悪いことを差し引けば、実は良い人なんじゃないかと思った。


「いえ、初めて来ました」

「ほー。そうか。まあ、頑張れ。んじゃ、忙しいんでな」


 そう言うと男はクルッと出口に体を向けてぷらぷらと手を振った。


「あの!」

「あぁん? まだなんかあんのか?」


 男は顔だけをこちらに向けて鬱陶しいと言わんばかりの態度を示す。


「あの……東門にある宿屋が開いてる「バクー」って料理店をご存知ありませんか?」

「あー、あのいつも混んでる店か。入ったことはねぇな。それがどうした?」


 態度も機嫌も悪いはずなのだが、どうしてか男は僕との会話を無下にすることはしない。きっと優しくて義理堅いのだろう。不機嫌さも優しさも隠すことが下手なようだ。


 男はお店のことを知っていた。また、段々と機嫌の悪さも落ち着いたようで威圧的な感じはもう無い。

 やっぱり良い人なんだろう。僕はユキの働くお店に貢献するために宣伝しておくことにした。

 本当はどんな雰囲気なのか聞きたかったのだが、利用したことがないならしょうがない。


「そこで家族が働いているんです。もし良ければよろしくお願いします」

「……そうかよ。母ちゃんでも働いてんのか?」


 男は何処かトーンを落として僕に質問した。親が働いていたら何かあるのだろうか? 初めての冒険者との会話にテンパってたせいか、僕はあまり深くは考えなかった。

 しかし、この時には気づかなかったが、これはこの男なりの気遣いだったのだろう。王都は復興したとはいえ大切な人を失った家庭は多い。稼ぎ頭の父親を失えば生活はジリ貧だ。

 そんなことを思い描いていたかは定かではないが、僕を見る目が憐れみを帯びていたのは確かだ。


「いえ……姉? が働いています」


 血の繋がっていない家族なので「姉」という表現が正しいかわからなかった。だから、不自然な感じで語尾が疑問形になってしまった。

 しかし、男の興味はそこには無い。


「……いくつだ?」

「十八です」

「なに!? 可愛いのか?」


 急に元気になった男に驚く。質問も何処かおかしい……普通は、美味いのか? とかだろう。だが、その場の勢いに負けて答えてしまう。


「え? あ……はい。とても」

「そっ……そうか。じゃ、じゃあ、ちいと顔だしてやらんこともない」


 何か複雑な感じはあるが、お店の売り上げに貢献できたのなら……良かったのかもしれない。

 でも、容姿や年齢の事しか質問してこなかったところを見ると、ユキに手を出してしまうんじゃないかと、ちょっと……いや、だいぶ心配になってきた。

 まあ、そうは言っても、もうこの時間から向かったんじゃ間に合わないだろう。帰ったらユキに気をつけるよう言っておこう。


「ありがとうございます! あ、でも、忙しい時間帯だけの時短勤務なんで、今日は……」


 僕が今日はもう会えないことを伝えようとしたら、男は急に僕の話を遮り割って入ってきた。


「おまっ、それを早く言えよ! 今からじゃ……ダッシュで行けば間に合うか! っしゃあ! いっちょ行ってやっかんな! ありがたく思えよ、坊主!」

「え? あっはい、ありがと……って……行っちゃった」


 男は先程の仏頂面とは打って変わって元気よく飛び出して行った。

 本当にダッシュでバクーへと向かうのだろうか? 城外半周をダッシュで? ……可能だとしたらもうそれは超人だ。

 そんな事が可能な冒険者ですら初級止まりなのだとすれば、僕が合格する望みは薄いかもしれない。

 ……僕はギルドが少し怖くなった。


 しかし、今僕は「無職」である。交友関係に当てがあるわけでもなく、仕事を選べる優位な立場でもない。泣き言なんて言ってはいられなかった。

 もし働かせて貰えるようになったら薬草摘みでもしよう。などと少々弱気になってしまっていたのだが、こんなんじゃ駄目だと思い直す。

 一旦あの男のことは忘れて、気を引き締めてから空いている受付へと向かった。


「いらっしゃいませ。トキオウギルドへようこそ!」


 受付のお姉さんはとても良い笑顔で接客してくれた。その笑顔のおかげで、不安でいっぱいだった僕の心はほんの少しだけほぐれた。

 ちなみに、このギルドの名前はトキオウ王国に由来している。僕らが住む王国の名前だ。


「あの……初めてなのですが……どうすれば仕事をさせていただけるのでしょうか?」

「初めての方ですね! でしたらお名前をこの紙にご記入ください。その後、適正検査となります」

「はい。あの、適正検査って何ですか?」

「適正検査は、お客様の基礎能力を数値化できる宝珠に触れていただきます。

 体力、魔力、腕力、脚力、持久力、耐久力、魔力耐性を数値化して、魔力適正を判定したします」

「そうなんですか……あ、書き終わりました」


 なんだかよくわからないけど個人の能力を数値化して、わかりやすくするって事なのだろう。

 なんとか初級クラスには引っかかって欲しいところだが、基準を知らないので不安は拭えない。

 しかし、僕は今まで怠けていたわけじゃない。復興作業の中でも重労働を進んでこなしてきた。そこで鍛えたこの体であれば、きっとなんとかなる……と思う。


「では早速この宝珠に手を当ててください」


 お姉さんはおもむろにカウンターの下から宝珠を取り出す。そんな雑な感じの管理で大丈夫なのだろうか? とも、考えたが、さっきの人みたいに絡まれることが多いのだろう。

 だから、その時サクッと現実を知らせるためには、カウンターで結果がわかるくらいが丁度いいのかも知れない。

 僕は宝珠に手を当てた。


「えー、どれどれ……体力が三百……魔力が……ん? んー腕力二百……脚力二百……持久が二百……耐久……魔力耐性が……ん? んー適正が、光、闇、火、水、風、地、?、?……ん? んんん?」


 なんだか不穏な空気を感じる。お姉さんが頼り無さげにうんうん唸っていた。


「あの……どうでしょうか?」

「えーと……この宝珠じゃわかりませんね! ちょっと待っててください。マスターを呼んで来ます」

「え? はい」


 お姉さんは急ぎ足でバックヤードに入って行った。

 そんなお姉さんを見て僕はちょっと焦ってしまう。もしここで適正無しということになれば、いったいどこで仕事を探せば良いのだろうか?

 ギルドから門前払いを受けてしまえば、僕は完全にお荷物だ。そんなんじゃユキに合わせる顔がない。どうしよう……。

 そんな事を悶々と考えていたら、息を切らしたおじさんがバックヤードから出てきた。


「はぁ、はぁ。すまん。ちょっと待ってくれ」


 おじさんはそう言うと深呼吸をして荒い息を整えた。


「はぁ。ん、すまない。私は、ギルドマスターのダジューだ。この宝珠で測定できなかったそうで、申し訳ない。奥にもう一つあるから、そっちで計測していただきたいのだが……良いかな?」

「あっ、はい。わかりました」


 首の皮一枚どうにか繋がったようだ。もう一つの宝珠で測定出来れば仕事にありつけるかも知れない。

 僕はダジューさんに促されてバックヤードに入っていく。通路を少し歩いて右側の部屋にとおされた。広めの空間にぽつんと宝珠が置いてある。豪華な台座に鎮座していて、いかにも高級そうだ。


「こちらの宝珠に触れていただきたい」

「……え? これに……ですか?」


 僕はあまりに高価そうな宝珠に尻込みする。もし、手が滑って壊してしまったら……今の僕には弁償なんて不可能だ。


「ああ、そうだ。大丈夫、さっきのと違ってちゃんと測定できるだろう」

「……わかり……ました」


 僕の心配はそこじゃない。でも、ここで尻込みしたところで逃げた先に活路は無い。

 だから僕は、慎重に、慎重に、宝珠へと手を伸ばす。

 絶対に壊しちゃいけない。僕は優しく撫でるように宝珠へと手を当てた。


「ほぁぁぁ」


 ダジューさんは宝珠を見つめながら気の抜けた声を上げた。その反応を見た限りではどっちつかずな感じで、僕のもやもやは晴れることはなかった。早く結果を教えて欲しかった。


「あの……どうでしょうか? 薬草採取とか……受けさせていただけるのでしょうか?」

「え? 薬草? あー、うん。問題無い……かな?」

「やった……え? 問題あるんですか!?」

「……」


「問題無い」と聞いて、喜んだのも束の間に「かな?」とか付け足されてしまった。急上昇した感情は行き場を失い、悶々と不安をつのらせる。何か考えごとでもしているのか、ダジューさんは僕の質問に上の空な感じでなかなか答えてくれない。


「ダジューさん!」

「あ、うん。大丈夫。君は……数値だけ見れば、師範クラスを優に超えているよ」

「あの、それって……」

「ああ、ギルドは君を歓迎するって事だよ」

「本当ですか! ありがとうございます!」


 ようやく……いろいろあったけど、思わせ振りなダジューさんの口からきちんとギルドへ歓迎された。

 これで仕事の心配をしなくて済みそうだ。採取系の依頼をこなしていけば材料の売り先とも交友関係が広がって、安定した職につける可能性がグッと高くなる。

 僕は早いとこ定職についてユキに楽をさせてあげたかった。


「あーでも、悪いんだが数値的には師範クラスなんだけど、最初は初級クラスの依頼しか受けられない決まりでね。少し経験を積んでくれれば、すぐに昇格させるよ」

「初級クラスで採取任務は受けられるのでしょうか?」

「ああ、森の入り口付近に自生している薬草とかを採取するのであれば初級クラスから受注できるよ!」

「本当ですか!? ありがとうございます!」


 なんだか異様に疲れたが、ようやく生活基盤を構築するための活路が見えてきた。

 ここで一生懸命頑張ってユキに恩返しをするんだ!

 不安が晴れたのもあって、僕の頭の中ではこれから先のライフプランを想像することでいっぱいになっていた。


「いや、でも、君にはもっとやって貰いたいことがあるんだが……」

「いえいえ、僕は採取任務で大丈夫です! 頑張ります!」

「あー、うん。取り敢えず、その任務をこなしてくれれば……良い……かな」

「はい!」

「では……あ、そうだ。この部屋で起きたこと、見聞きしたことは、くれぐれも他言しないように」

「はい! わかりました!」


 ダジューさんは終始歯切れが悪い感じだったが気にする事はない。どこかのタイミングで定職についてしまえば良いのだ。そうすれば、ギルドの危険な依頼をこなさなくて済む。

 僕は「無職」という不安を払拭出来た喜びでいっぱいだった。

 だからこの時、ダジューさんが何を考えているかなんて気にもしなかった。

 ただ……もし、ダジューさんの異変に気づいて行動したとしても、僕にはどうすることもできなかっただろうけど。










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